【2月2日 AFP】NFLのコミッショナー、ロジャー・グッデル（Roger Goodell）氏は現地1日、ニューイングランド・ペイトリオッツ（New England Patriots）のスパイ疑惑は、チームが第42回スーパーボウル（Super Bowl XLII）までに達成した18戦全勝の記録に何ら影響を与えていないとの見解を示した。

　レギュラーシーズンを16戦全勝で終えたペイトリオッツはプレーオフでも勝ち続け連勝を18に伸ばしが、ペイトリオッツの輝かしいシーズンは、チームが開幕戦のニューヨーク・ジェッツ（New York Jets）戦で、禁止されている相手ディフェンスのシグナルを撮影したとする違反行為に問われ、大きな影を落とした。

　NFLは証拠を検討した結果、ペイトリオッツのビル・ベリチック（Bill Belichick）ヘッドコーチ（以下HC）に対し50万ドル（約5330万円）の罰金、またペイトリオッツに対し25万ドル（約2660万円）の罰金と、2008年ドラフトでの1順目指名権を剥奪する処分を下した。また処分を下した後には、ペイトリオッツから押収した証拠品のビデオを処分した。

　証拠品にビデオに関し米上院司法委員会（Senate Judiciary Committee）のアーレン・スペクター（Arlen Specter）上院議員が同1日、「テープを処分した理由が私にはわからない。全く検討がつかない。一歩ずつ着実にやっていこう思っている。我々には現時点で検討すべきことがたくさんある」と語り、NFLが証拠テープを処分した理由に興味があるとの見解を示した。

　スペクター議員の発言は、米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）が、スペクター議員がグッデル氏を司法委員会に召喚して証拠テープ破棄の理由を説明させることを検討している、と報じたこと受けて行われた。

　スペクター議員は同紙に対し「NFLは米国で独占禁止法を免除されるという特別待遇を受けている。国民には汚点のない試合だとの確信を持って観戦する資格がある。米中央情報局（CIA）がテープを処分する手法に酷似している」と語っていた。

　コミッショナーのグッデル氏は、証拠テープの1つがメディアに漏洩したことを受けた形で全てのテープの破棄を決めたこと明らかにした。またグッデル氏は、ペイトリオッツが禁止されている手段により入手したとされる資料を提出することでグッデル氏の指示に従ったと証明するためにテープの処分を行ったことを明らかにした。

　グッデル氏は「もちろん上院議員と話ができることは大歓迎だ。なぜ私が処分したのか、なぜスタッフに処分させたのかをしっかり説明できると確信している。チームシグナルが相手チームにより解読される可能性を考えないコーチがいるとは思えない。シグナルが盗まれることを予期しないコーチは愚か者だとする発言を行ったのはマイアミ・ドルフィンズ（Miami Dolphins）のビル・パーセルズ（Bill Parcells）運営責任副代表だったと記憶している。ペイトリオッツの2007年シーズンの偉業は、ルールの範囲内で達成されたことだと考えている。彼らの記録は素晴らしいものだ。過去に18戦全勝を達成したチームはない。撮影がペイトリオッツのスーパーボウル制覇に必ずしも有利に働くとは言い切れない」との見解を示している。(c)AFP/Rebecca Bryan