【9月17日 AFP】現地時間15日にスコットランド中央の町ラナーク(Lanark)の雑木林に墜落したヘリコプターから発見された4人の遺体のうち身元が判明した2体は、元世界ラリー選手権(WRC)王者のコリン・マクレー(Colin McRae、英国)氏と、マクレー氏の5歳の息子ジョニー・マクレー(Johnny McRae)くんのものであることが地元警察の発表により明らかとなった。

 残る2つの遺体はマクレー氏とジョニーくんの友人であるラナークに住む6歳のBen Porcelliくんと、フランスに住む37歳のGraeme Duncanさんのものと見られているが、警察は家族による遺体確認が行われていないことを強調している。

 ストラスクライド(Strathclyde)警察の声明を読み上げたTim Love警視正は、「4人が乗ったヘリコプターは、近くの村への訪問から戻った現地時間15日の16時10分頃に何らかの異常事態に陥り、マクレー氏の自宅敷地内に墜落したものと考えている。我々は事故後まもなく現場に居合わせた航空事故調査チームと緊密に連携をとっている」と発表している。

 雑木林で発見された事故の残骸は損傷が酷く、当初は何人が事故に巻き込まれたかを断定することさえ難しいとされていた。

 1995年に英国人ドライバーとして世界ラリー選手権で初の年間優勝を達成したマクレー氏の不慮の事故死を受けて、スポーツ界のみならず政界からも多くの哀悼の意が捧げられている。

 1997年からマクレー氏のコ・ドライバーを務めたニッキー・グリスト(Nicky Grist)は、英スカイニューズ(Sky News)に対し、「彼は本当に素晴らしい人物だったので、その死は痛烈に惜しまれることになるだろう」とマクレー氏の死を悼み、さらに息子ジョニーくんと2人の友人が亡くなったことで悲劇は一層の重みを増したとして「ジョニーは父を敬愛し車にまつわる全てを愛していた。ジョニーはマクレー家の新たなラリードライバーになることを確信していたのに」と語っている。

 世界ラリー選手権で年間優勝を果たすなど多くの成功を収めたスバル(Subaru)時代をマクレー氏と共にしたデイヴィッド・リチャーズ(David Richards)氏は、英国放送協会(BBC)に対し「彼は私がこれまでに会った誰よりも旺盛な競争心を持っていた。彼はどの枠にも当てはまらない人並みはずれた精神力を持っていた人間だった」と語り、マクレー氏を追悼している。

 また、スコットランドのアレックス・サーモンド(Alex Salmond)首相は、「コリン・マクレー氏は国際的なレベルで名声を築き偉業を達成した傑出したスコットランドのスポーツ選手だった」と哀悼のメッセージを寄せている。

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