【5月18日 AFP】13IZODインディカー・シリーズ第5戦、インディアナポリス500(Indianapolis 500)を控え、AJフォイト・レーシング(A.J. Foyt Racing)の佐藤琢磨(Takuma Sato)が前シーズンの雪辱を果たすべく優勝を狙っている。

 佐藤は前シーズンの同レースでは最終ラップでクラッシュし、優勝を逃したが、今シーズンはここで歴史的な勝利を挙げ、ドライバーズタイトル争いでも優位に立つことを目指している。

 元F1ドライバーの佐藤は今季、4月にカリフォルニア(California)州ロングビーチ(Long Beach)で行われた第3戦で日本人初のインディカー優勝を果たし、さらにブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)での第4戦では2位に入った。

 レースを控え佐藤は、「1つ1つのレースが自信になっています。チームは驚くような早さで成長していますし、チームのマネジメントもとてもうまくいっています。それが内容に反映されてきているんだと思います」とコメントした。

「ロングビーチでは完璧なレースができました。1人もミスすることなく、不運に見舞われることもありませんでした。ブラジルでは、今まで経験した中でも最高レベルの刺激的なレースになりました。2位はもちろん残念ですが、とても満足しているのも事実です。総合争いで首位に立てているのは、僕にとっては嬉しいご褒美ですね」

 佐藤は現在ドライバーズポイントで136点を獲得し、アンドレッティ・オートスポーツ(Andretti Auto Sport)のマルコ・アンドレッティ(Marco Andretti)に13点差、チーム・ペンスキー(Team Penske)のエリオ・カストロネベス(Helio Castroneves)に20点差、さらにアンドレッティ・オートスポーツのジェームズ・ヒンチクリフ(James Hinchcliffe)に24点差をつけている。

 しかしながら現在、注目は5月末に行われるインディアナポリス500に移っている。インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(Indianapolis Motor Speedway)の1周約4キロメートルのオーバルトラックで争われる同レースは、19日から始まる予選を経て33台に絞られ、26日に行われる決勝では200周のレースで優勝を争う。

 前年大会で佐藤は、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング(Target Chip Ganassi Racing)のダリオ・フランキッティ(Dario Franchitti)を2位で追っていた最終ラップの第1コーナーでインに深く入りすぎた。マシンのコントロールを失ってスピンした佐藤は、負傷こそなかったものの17位に終わり、優勝をフランキッティに譲った。

 佐藤はその経験について「確かに昨年のインディ500は、僕にとって忘れられない日になりました。特別な、見ごたえのあるレースだった思います。結果は残念でしたが、チームから多大なサポートをもらったことには変わりありませんし、それに素晴らしい経験を積めました」

「厳しいレースを終えてガレージに戻ってみると、たくさんのファンが待ち構えていてすごく励ましてくれたんです。あれはとりわけ特別な体験でした」

 佐藤は今年こそ、その最終ラップを制してチェッカーフラッグを受けたいと考えている。

「今年は優勝を狙って来ました。できない理由はありません。テスト走行では安定した走りを見せることができているし、このまま調子を上げていって優勝に絡めたらいいですね」

 さらに佐藤は、今年も同じように最終ラップでリードを奪うチャンスがあれば、リスクを避けて安全策をとるようなことはしないとコメントした。

「もう1度同じ場面があれば、引き下がるようなことは絶対にしません。僕の一番の目標はこの大会を勝って、そして総合優勝を遂げることです。今はまだその途中です。まだ初めての勝利を挙げただけだし、階段を上っているところなんです」

(c)AFP