モス氏、「女性にはF1ドライバーに必要な精神力がない」
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【4月16日 AFP】英国の元レーシングドライバー、スターリング・モス(Stirling Moss)氏が、15日に放送されるラジオインタビューで、女性はフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するために必要な強い精神力を持ち合わせていないと語った。
女性のドライバーやチーム代表は存在するにもかかわらず、83歳のスターリング氏は英国放送協会(BBC)のラジオのインタビューで、「女性は力は持っていると思うが、過酷なレースに耐えるための精神力を備えているかどうかは疑問に感じる」と話した。
スターリング氏のコメントは、F1参戦を目指し、現在ウィリアムズ(Williams)の開発ドライバーを務めているスージー・ヴォルフ(Susie Wolff)に衝撃を与えた。
BBCの公式サイトには、ヴォルフのコメントが紹介されている。 「モス氏のことはとても尊敬しているし、彼の功績には敬意を払いますが、時代錯誤な考えです」 「女性がF1のマシンを運転することが、モス氏にとって信じられないということは理解できます。彼が現役だった時代のレースは命がけだった。だけどF1の技術は進んでおり、現在は昔と比べてかなり安全になっているのです」
■モータースポーツで活躍する女性
これまでF1に女性は5人しか参戦していない。その中でもポイントを付与されたのはわずか一人、イタリア出身のレラ・ロンバルディ(Lella Lombardi)のみとなっている。
ロンバルディは1970年代にブラバム(Brabham)のドライバーとして12度決勝に出場し、通算0.5ポイントを獲得した。
最近では1992年に同じくイタリアのジョバンナ・アマティ(Giovanna Amati)がF1に参戦してしているが、予選通過には至らなかった。
昨シーズンにはマルシャ(Marussia F1 Team)のテストドライバー、マリア・デ・ビロタ(Maria De Villota)がテスト走行中にクラッシュを起こし、右目を失明している。
その一方で、モータースポーツで最も成功している女性、ダニカ・パトリック(Danica Patrick)は今年のNASCARネイションワイド・シリーズ(NASCAR Nationwide Series)開幕戦デイトナ500(Daytona 500)でポールポジションを獲得した。現在31歳のパトリックは、2008年に女性初のインディカー(IndyCar)優勝を果たし、2010年にはシリーズ最多の連続完走記録を樹立した。
2012年にはモニシャ・カルテンボーン(Monisha Kaltenborn)がザウバー(Sauber)のチーム代表に任命された他、ウィリアムズでは今年からクレア・ウィリアムズ(Claire Williams)がチーム副代表を務めている。(c)AFP