【3月26日 AFP】チームメイトのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)との関係が悪化しているレッドブル(Red Bull)のマーク・ウェーバー(Mark Webber)がF1第3戦中国GP(Chinese Grand Prix 2013)に参戦すると、父アラン・ウェーバー(Alan Webber)さんが26日、明らかにした。

 36歳のウェーバーは24日に行われたF1第2戦マレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2013)決勝で、チームの指示を無視したベッテルに無理なオーバーテークを仕掛けられ、優勝を逃した。

 レース後、母国オーストラリアに一時帰国したウェーバーは、4月14日に上海(Shanghai)で決勝が行われる中国GPを欠場する意向と一部メディアで報じられた。しかし、父親のアランさんはウェーバーは、「次戦に参戦するため中国に行く」とオーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)の取材に答えた。

 レース後の記者会見に臨んだベッテルは「誇らしいことをしたとはとても思えない」と謝意を口にした。これに対しアランさんはベッテルの言葉に誠実さを感じたものの、すでに亀裂の入っていた関係は粉々になったと語った。

「再び尊敬の念を得て、信頼を回復するには長い時間がかかるだろうと思うね」

 またアランさんは、ベッテルに対して腹を立てているのはウェーバーだけでなく、英国に拠点を置くレッドブルがチームとしても不快感を表していたと明かしている。

 ベッテルとウェーバーの間にはこれまでも緊迫した関係があり、ウェーバーはチーム内の序列によって自分はベッテルほどのサポートをチームから受けていないことに疑問を呈していた。

 マレーシアGPでは慣例となっているピットウォール際での祝福が見られることはなく、ベッテルはクルーから生ぬるい祝福を受けるにとどまった。

 レース直後、ウェーバーとベッテルはガレージ内で激しい口論の末、こわばった表情でファンの前を通って表彰台に向かった。

 レース後にウェーバーは「まだ事が起きて日が浅いし、消化し切れていない。当然チームとしてここからどう進むのがベストか考える必要がある。今週中に話し合われるはずだ」とコメントした。

 ベッテルとウェーバーの不和は今に始まったことではない。2010年のトルコGP(Turkish Grand Prix 2010)決勝でもウェーバーはベッテルと接触したことで優勝を逃しており、ベッテルもリタイアに終わった。

 ベッテルは現在40ポイントでドライバーズランキング首位に立っており、ウェーバーは26ポイントで同3位につけている。レッドブルはコンストラクターズポイントでも66ポイントを獲得し、トップに立っている。(c)AFP