【11月26日 AFP】12F1最終戦ブラジルGP(Brazil Grand Prix 2012)は25日、決勝が行われ、6位に入ったレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)がF1史上最年少でのドライバーズタイトル3連覇を達成した。

 25歳のベッテルは1周目に起きた接触でマシンが損傷したものの、雨の振る不安定なコンディションの中で行われた劇的なレースを走り抜いた。

 タイトルを争う唯一のライバルだったフェラーリ(Ferrari)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は勇敢な走りを見せて2位に入ったものの、前レースまでの13ポイント差を逆転することはできず、年間王者のタイトルは3ポイント差でベッテルのものとなった。

 アクシデントとクラッシュが相次ぎ、セーフティーカーが先導した状態でレースのフィニッシュを迎えたレースで3連覇を決めたベッテルは、レース終了後には涙し、快哉を叫ぶレッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表の祝福に応えることもできなかった。

 ホーナー代表はベッテルについて、「スタート時点でベッテルと連絡がつかなくなったが、彼は踏ん張り、強い意志でレースを続けた」とコメントしている。

 これまでに3連覇を達成したドライバーは、アルゼンチン人の故ファン・マヌエル・ファンジオ(Juan Manuel Fangio)氏と、ベッテルの憧れであり今レース限りでの引退を表明しているメルセデスAMG(Mercedes AMG)のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)のみだったが、ベッテルはその2人に肩を並べた。

 レースはマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のジェンソン・バトン(Jenson Button)が1時間45分22秒656で制した。アロンソのチームメイトで地元ブラジルの英雄であるフェラーリのフェリペ・マッサ(Felipe Massa)が見事な走りを見せて3位に入り、4位にレッドブルのマーク・ウェーバー(Mark Webber)、5位にフォースインディア(Force India)のニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)が続いた。

 ヒュルケンベルクはレースのキーマンとなり、一時トップに立っただけでなく、マクラーレンのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に衝突してリタイヤに追いやり、移籍前最後のレースでの勝利を確信していたハミルトンの夢を打ち砕いた。

 6位のベッテルに続いて7位にシューマッハ、8位にトロ・ロッソ(Toro Rosso)のジャン・エリック・ベルニュ(Jean-Eric Vergne)、9位にザウバー(Sauber)の小林可夢偉(Kamui Kobayashi)、10位にロータス (Lotus F1 Team)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)が続いた。

 また、281ポイントで年間王者となったベッテル擁するレッドブルは、前週の第19戦米国GP(United States Grand Prix 2012)で3年連続となるコンストラクターズ選手権優勝を決めている。(c)AFP