【3月10日 AFP】一般的なスポーツファンにとっての2010年シーズンのフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の2つの最大のルール変更は、「戦術的」給油が実施されないピットストップと新しいポイントシステムとなる。

 ピットストップは無くならないが、タイヤ交換のみが行われる。4秒以内で4つ全てのタイヤを交換するピットクルーの奮闘、電光石火のストップには「過去」への回帰が見られることになるだろう。レース中の給油が禁止され、全レース距離を走るのに十分な175キログラムの燃料を搭載することが出来る燃料タンクが導入される。

 タイヤの性能とタイヤの磨耗がレースの決め手となってくるが、レース中のタイヤのケア能力から「プロフェッサー(教授)」として知られ、過去4度の世界王者となったアラン・プロスト(Alain Prost)氏のような滑らかな運転技術が再び重要になってくる。これは、攻撃的な運転をするマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)よりも、チームメイトで技術の高い現世界王者ジェンソン・バトン(Jenson Button)に有利となるだろう。

 新しいポイントシステムでは、既存の上位8位までではなく、上位10位までにドライバーズポイントが与えられる。ポイントは、1位に25ポイント、2位に18ポイント、3位に15ポイント、4位以降は12、10、8、6、4、2、1となる。理論上、新ポイントシステムは、表彰台入りで満足するのではなく優勝を、ポイントを獲得するために入賞を目指すドライバーの意欲を高めることになる。

 ドライバーは2009年までは1レースで14セットのドライタイヤを割り当てられていたが、新シーズンは11に変更となった。さらに予選上位10人は、予選の最後で使用したタイヤを装着して決勝レースをスタートしなくてはならない。

 また、レース開催期間中の車両の最低重量は、大きくなった燃料タンクと長くなったホイールベースに適合するため、現行の605キログラムから620キログラムになった。(c)AFP