【6月20日 AFP】フォーミュラワン(F1)参戦チームによる団体、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(Formula One Teams' AssociationFOTA)と、統括団体の国際自動車連盟(Federation Internationale de l'AutomobileFIA)の対立により、F1が存続の危機に立たされている。

 FOTAとFIAは、FIAの予算制限計画により対立を深めていた。

 伝統の英国GP(British Grand Prix 2009)が開催される中、FIAは現行の枠組みを離れた新シリーズを立ち上げると宣言したFOTAに対し、法的措置をとることを明言した。

 FOTAに加盟するフェラーリ(Ferrari)、マクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)、ルノー(Renault)、BMWザウバー(BMW Sauber)、トヨタ(Toyota)、ブラウンGP(Brawn GP)、レッドブル(Red Bull)、トロ・ロッソ(Toro Rosso)は、18日に2010シーズンの選手権参戦への署名を行わず、同シーズンから独自のシリーズをスタートする計画を発表していた。

 一連の騒動は、4月にFIAのマックス・モズレー(Max Mosley)会長が、4000万ポンド(約64億円)の任意の予算制限を導入すると発表したことに端を発している。

 FIAは声明で「FIAの弁護団は、FOTAが分裂シリーズを開始するとの脅迫を現在調査している。FOTA全体の行為、中でも特にフェラーリは、法的関係の意図的な妨害、フェラーリの法的義務の不履行、独占禁止法の深刻な違反など、様々な違法行為を犯している。FIAは直ちに法的措置をとる。2010年のFIAフォーミュラワン世界選手権への準備は継続しているが、最終的な2010年のエントリーリストの発表は、FIAが法的措置を主張している間は保留されることになる」と発表している。

 最終的なエントリーリストは20日に発表されることになっており、現行の選手権に無条件に参戦する各チームの署名の最終期限は19日の夜となっていた。
 
 F1をめぐる一連のドラマは、懸案となっていた予算制限の共通点を見出すことに失敗し、FOTAが新たなシリーズを立ち上げると発表した19日の夜中に始まった。

 FOTAの新シリーズ立ち上げの発表があった数時間後、FIAは「FIAは選手権における資金力競争を認めず、FOTAがフォーミュラワンのルールを決定することを認めることはできない」とコメントしている。

 また、2度の年間王者に輝いているフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は、F1は「終わった」とコメントしている。

 ルノーに所属するアロンソは「均一的なエンジン、規模の小さいチーム、一流のドライバーが存在しないことがスタンダードになるだろう。僕の意見では、それは皆が欲するF1ではないよ。新シリーズはとても魅力的だね。巨大なチーム、最高のドライバーがいて、名前以外はすべてが同じだ。これが新たなF1だよ」と語っている。(c)AFP/Josh Collings