【10月8日 AFP】国際自動車連盟(International Automobile FederationFIA)のマックス・モズレー(Max Mosley)会長は7日、抜本的なコスト削減が実施されなければF1はあと1年しか存続できないとの見解を示した。

 2009年に退任すると見られているモズレー会長は、チーム運営のコスト上昇によりF1の未来は脅かされていると語り、スーパーアグリ(Super Aguri)のたどった運命を強調した。

 08シーズンに参戦していたスーパーアグリは、資金不足により第4戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2008)の後にF1を撤退しており、モズレー会長は少なくともさらに2チームが撤退を余儀なくされることを恐れている。

 英国放送協会(BBC)のBBCスポーツ(BBC Sport)に対しモズレー会長は「さらに2チームを失えば、このスポーツは維持できないポジションに追い込まれると考えている。現在は20台のマシンが走っているが、2チームなくなれば16台になり、そうなれば信憑性(しんぴょうせい)のあるグリッドではなくなる。株価を見ればすでにいくつかのチームは困難に陥っている」と語っている。

 また、モズレー会長はF1が億万長者の援助で存続することはできないとし、現在の財政情勢とは関係なく、生き残るのであればコスト効率を向上させなければならないことを強調した。

 モズレー会長は「(世界的な金融市場の)信用収縮に背中を押されたのではない。このことには2、3年取り組んできた。現在の経済危機のはるか以前からF1が存続不可能なのは明らかだった。もし2010年までにこの問題を解決できなければ、我々は深刻な危機に陥るだろう。2009年は生き残ることができる。だがその先は確信が持てない。支出が収入の2倍、3倍であればビジネスを続けることはできない。現在は億万長者の支援によって成り立っているのだ」と語っている。

 また、モズレー会長は「我々にできることは多岐にわたる。最も明白なのはマシンのコストを下げることだ」と語り、膨大な財政力を持つフェラーリ(Ferrari)やマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)やBMWザウバー(BMW Sauber)でも単純なコスト削減を行うことでF1を存続させる一助になるとの見解を示した。(c)AFP