【9月18日 AFP】F1に参戦しているマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のロン・デニス(Ron Dennis)代表は17日、ベルギーGP(Belgian Grand Prix 2007)決勝で所属するフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)がチームメイトであるルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)のコースを塞ぎ、その結果コースアウトしたハミルトンがアロンソを批判したことについて言及し、この件を特に問題視しない姿勢を明らかにした。

 ドライバーズランキングで首位に立ち4番グリッドからスタートしたハミルトンは、レース開始直後の第1コーナーで3番グリッドからスタートのアロンソにコースを塞がれ、結果としてコースアウトしたハミルトンは、その後盛り返すことができず4位で終え、3位を獲得したアロンソにドライバーズポイントで2ポイント差に詰め寄られた。レースはフェラーリ(Ferrari)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)がポール・トゥ・ウィンで優勝を飾ったが、その後の話題は必要以上にコースを塞いだとしてハミルトンがアロンソがに激怒したことに集中していた。

 この件に関してロン・デニス代表は「全く心配していない。彼らはレースをしている。もし2台が違うチーム同士のことだったら問題視したりしないだろう。全く問題ない。フェルナンドとルイスのように年間王者を争う偉大なドライバーがチームに2人もいれば、ベルギーGPのコーナーで見られたような駆け引きは起こり得ることであり、それは彼らが強い競争心を有している結果であると言える」とコメントし、アロンソのコース取りが許容範囲内であったとしてこの件を問題視しない構えを見せた。

 これに対し異なる見解を示しているハミルトンは「過去2、3年F1を見ているが、フェルナンドは常に自分が平等に扱われていないと不平を漏らしていた。だが彼は僕の走行を邪魔してコースアウトさせた。間違いなく故意だった。この目で見たんだ。もし僕がコースアウトせずにあのままポジションをキープしていたら衝突していただろう。これがフェアだとは思えない。コース上では全レーサーが余裕を持って走行していたのに、僕は何とかしてコースアウトして接触を逃れたのだから」と、アロンソのベルギーGPでの行為は不当なものであり偽善的であると主張している。

 なお、アロンソは「我々は3番グリッドと4番グリッドからスタートしたので、第1コーナーに同じタイミングで到着したのは単なる偶然だった」と一貫してこの件がどのような意味においても論争に値するものではないとしており、ロン・デニス代表と同様に日常的に起こる出来事だと異論を唱えた。

 もし一連のスパイ疑惑により2007年シーズンのコンストラクターズポイントが剥奪と1億ドル(約114億円)の罰金がマクラーレンに科されていなかったら、ロン・デニス代表はアロンソの行為について異なる見解を示していたかもしれないが、コンストラクターズポイントを気にする必要がなくなった今では、ロン・デニス代表は「マクラーレンの両選手はドライバーズランキングで現在1位と2位につけているので残り3戦を楽しみにしている。我々は熱心に仕事をし、07シーズンはマシンと共にレースで100%の信頼性を示してきたので、チーム全員で残りのシーズンを楽しみたい」と、スリルに満ちたシーズンのクライマックスを一歩引いた立場で楽しみにしている様子を窺わせた。(c)AFP/Andrew Fagan