【9月14日 AFP】F1、フェラーリ(Ferrari)の機密情報がライバルチームのマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)へ流されたとされる一連のスパイ疑惑で、国際自動車連盟(Federation Internationale de l’Automobile:FIA)は、今シーズンのコンストラクターズポイント剥奪と1億ドル(約114億円)の罰金をマクラーレンに科した。

 FIAは、マクラーレンが780ページにおよぶフェラーリの極秘文書を所有していたという申し立てを受け、13日にフランスの首都パリで開かれた世界モータースポーツ評議会(World Motor Sport Council)に、マクラーレンの代表を務めるロン・デニス(Ron Dennis)氏ら関係者を召集した。マクラーレンは、2007年シーズンのコンストラクターズポイントの剥奪と1億ドルの罰金を科せられたが、チームのドライバーであるルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のドライバーズポイントの剥奪は行われない。

 元フェラーリのパフォーマンスデレクター、ナイジェル・ステップニー(Nigel Stepney)氏からのマクラーレンのチーフデザイナーのマイク・コフラン(Mike Coughlan)氏に極秘情報が漏らされたという「スパイ疑惑」は2007年7月始めから騒ぎ立てられていたが、7月の終わりにはFIAがコフランが情報を所有していたことについて有罪としながらも、何の処分も下されていなかった。この決定にフェラーリは不満を漏らしたが、新たな証拠が発見されればFIAに上訴する構えを見せていた。

 そんな中、9月7日から9日に行われたイタリアGP(Italian Grand Prix 2007)を前に、FIAは新たな証拠を発見したことを発表すると同時に、マクラーレンチームの関係者の聴取を行うことを発表した。新たな証拠は英新聞のタイムズ(The Times)紙によると、アロンソやマクラーレンのテストドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサ(Pedro de la Rosa)、そしてコフランやステップニー氏の電話や電子メールでの通信記録とされてる。

 マクラーレン側は一貫して無実を訴えており、今シーズンのレースに臨んでいるマシンであるMP4-22はこの機密書類の情報を一切使用していないと主張している。

(c)AFP