【6月15日 AFP】男子ゴルフ今季メジャー第2戦、第111回全米オープン選手権(2011 US Open Championship)の開幕を16日に控え、出場選手らが19歳の石川遼(Ryo Ishikawa)を相次いで賞賛した。

 米メリーランド(Maryland)州ベセスダ(Bethesda)のコングレッショナル・カントリークラブ(Congressional Country Club)で開幕する同大会に出場する石川は、自分自身のチャンスを控えめに見積もっているかもしれない。だが、他の選手たちは、そうは考えていないようだ。

 2007年に日本のプロツアー初優勝を飾った石川だが、ここ数週間は厳しい日々を送った。今シーズン、石川は日本ツアーでは未勝利、6月最初の大会だった第12回日本ゴルフツアー選手権(Japan Golf Tour Championship 2011)では、ブービーで2週連続の予選落ちを味わった。更に追い討ちをかけたのが、無効の運転免許証での運転発覚だ。これにより石川は、全米オープンへ出発する直前の空港で謝罪会見を行っている。

 一般的に全米オープンは、トップゴルファーでさえも総合力が試される厳しい大会と言われる。石川は同大会出場については「打ちのめされたくない」と語っている。

■ 全米オープンのライバルたちの石川評は?

 一方、新たに世界ランク1位に躍り出たルーク・ドナルド(Luke Donald、英国)は、全米オープンでは石川が考慮すべき選手の一人になるとの考えを明らかにしている。「遼は素晴らしい才能を持った選手。あの若さで、とてつもない成功を日本で挙げ、さらに成功を重ねている。米国でも手堅いプレーを見せている。日本で何度も勝つことで、大きな自信を手にしている。その自信を米国ツアーやメジャー大会の様な大舞台で発揮できないという理由は無い。彼が躍進しても驚きはしないね」

 3年前に19歳で鮮烈なプロデビューを飾り、石川と似たような立場にいるロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)もドナルドに同調した。

 「遼のことは3年前から知ってる。彼と何ラウンドか回ったこともあるよ。素晴らしい選手だ。まだ、とても若いしね。今では若手選手も多いけど遼は彼らとは違う。去年、この大会で最初の2日を一緒に回ったけど、遼は3日目、4日目に向けて自分を駆り立てていた。そうしてゴルフを物にしていたんだ」。さらにマキロイは、「いつか彼と優勝をかけて最終ラウンドを回ることが出来ると信じている。彼は本当にいいプレーヤーだ。彼の未来は明るいよ」と語った。

 石川の潜在能力は誰の目にも明らかだ。しかし、石川はまだ海外で結果を出せていない。過去8度のメジャー大会出場では4度の予選落ちを経験した。メジャーでの最高成績は、今年の第75回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2011)での20位タイで、3度のマスターズ制覇経験を持つフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)に2打差をつけている。

 そのミケルソンは、石川について「いつかはメジャー大会を制覇するだろう。驚異的な才能の持ち主で、あの若さにして、すでに素晴らしいゴルファーだ。このまま伸びていけば、複数のメジャー大会で優勝して、多くの成功を掴むだろう。彼は信じがたいショットを放ち、グリーン回りでのタッチも素晴らしい。すでに完成した選手だ」と評した。また、「まだ20歳なんだろう?」と付け加えたところ、実際は19歳だと聞かされて、「すごいね!あとは専属運転手を雇うだけってとこだね」と冗談交じりに語っている。(c)AFP/Allan Kelly