【3月13日 AFP】男子プロゴルフ、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)の不倫スキャンダルの発端となった自家用車の事故当時、到着した救急車にエリン夫人(Elin Woods)が同乗することを、「ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)」があった可能性を理由に救急隊員が断っていたことが12日、公開された警察記録で明らかになった。

 地元紙オーランド・センチネル(Orlando Sentinel)に公開されたフロリダ高速パトロール(Florida Highway PatrolFHP)の記録には、ウッズが2種類の薬物を摂取していたとエリン夫人が警察に語ったことも含め、ウッズが事故を起こした当時の状況が詳しく残されていた。

 前年11月27日深夜から未明にかけて、ウッズは自宅付近のフロリダ(Florida)州ウィンダミア(Windermere)市のアイルワース(Isleworth)地区で、自家用車で自宅から出た後に、消火栓や木に衝突した。

 警察ではウッズが事故当時、薬物を摂取していた疑いがあるとみていたようだ。発表された記録によると、エリン夫人は夫が事故前に飲んでいたとして、警察に2種類の薬剤の瓶を提出した。1種類は鎮痛薬として知られるヴィコディン(Vicodin)だったとされる。

 警察が駆けつけた時、ウッズはどこからも出血はしていなかったが、下唇を切ったために上唇や歯が血だらけになっていたことが記録されている。エリン夫人にはかすり傷も切り傷もなかった。

 また記録には、エリン夫人がウッズに付き添って病院へ行きたがったが、救急隊員が事故に「ドメスティック・バイオレンスが絡んでいる可能性」を疑い、それを許可しなかったことが残されていた。隊員がそう考えた理由については報告には詳しく記されていないが、夫婦げんかを指摘した目撃者はいなかったと警官が報告していた。

 エリン夫人がウッズを殴ろうとしていたというメディアなどの憶測について、ウッズはこれまで完全に否定している。現場に残されていたゴルフクラブについても夫妻はそろって、事故を起こしたウッズをエリン夫人が助けようとして、窓ガラスを割るのに使ったものだと説明している。

 フロリダ高速パトロールからウッズに科されたのは、運転中の注意義務違反による罰金164ドル(約1万5000円)だけだったが、事故後次々と発覚した不倫スキャンダルで、メジャー大会14回優勝の王者の名声も地に落ち、数百万ドル相当のスポンサー契約は相次いで解除された。現在、ウッズは無期限で試合出場を自粛しており、12日には次週始まるトランジションズ選手権(Transitions Championship 2010)への出場も見合わせる意向も発表された。(c)AFP