【9月15日 AFP】第68回ブエルタ・ア・エスパーニャ(68th Vuelta a Espana)は14日、第20ステージ(アビレスからアルト・デ・ラングリル、142.2キロメートル)が行われ、FDJのケニー・エリッソンド(Kenny Elissonde、フランス)がステージ優勝を飾った。

 ステージ2位にはレディオシャック・レオパード(RadioShack Leopard)のクリス・ホーナー(Chris Horner、米国)が入り、続いてモビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)が3位となった。

 一方、総合では41歳のホーナーが首位を守った。

 総合2位につけているアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)は、ゴールから2キロメートルの地点でホーナーに突きはなされ、ホーナーに28秒遅れてステージでは4位に終わった。

 結果、2人の総合タイム差は37秒に広がり、ホーナーが翌日のマドリードでの最終ステージで大会史上最年長で総合優勝を飾ることが事実上、確実となった。

 ホーナーは地元テレビ局の取材に対し、「勝利を実感するには時間はかからない」と語った。

「今日私が達成したことがどういうことなのか、どれだけ困難なことなのか、すでに長時間かけて考えている。このことは生涯忘れないだろう」

 ニバリは、アルト・デ・ラングリルのゴールまで12.2キロメートルも続く勾配20%以上の上り坂で、ホーナーにひっきりなしに勝負を仕掛けた。しかしホーナーとの距離を大差開くことができなかった上、その絶え間ないアタックのせいでエネルギーを消耗してしまい、最終2キロメートル前後ではホーナーと同じペースを維持することができなかった。

「ニバリは素晴らしかった」とホーナーは話す。

「ニバリやバルベルデといったチャンピオンがいる中で優勝できるなんて、信じられない。ファンに壮大な戦いを見せるためにも、ニバリがあのようなアタックを仕掛けてくれることを願っていた。ニバリは15回くらい勝負に出てくれたので、ファンたちは手に汗握ってレースを見ていたことだろう」

「信じられないような瞬間だった。私のような年齢の者がグランツール勝利を決めるなんて、今後ないかもしれない。そんな瞬間をファンはテレビで観ることができたんだ。ゴールにたどり着くまでに私が踏んだペダルの一歩一歩、私が味わった苦しみ、その全てを観戦して楽しんでくれたことを願っている」

 一方、今年のジロ・デ・イタリア(2013 Giro d'Italia)覇者であるニバリと、総合3位のバルベルデは同タイムでフィニッシュしたため2人の総合タイム差に変動はない。そのため、ニバリが2位入賞も事実上決まっている。

 また、総合4位につけているカチューシャ・チーム(Katusha Team)のホアキン・ロドリゲス(Joaquin Rodriguez、スペイン)との差を約2分としているバルベルデも表彰台に立つことがほぼ確実となっている。

「チャンスがあればアタックしようとした」とニバリはレースを振り返って話した。

「この大会には満足している。確かで強い走りを見せていたホーナーは、首位にふさわしい選手だった」

 今ステージでは総合争いにスポットが当てられてしまったため、グランツールで初めてステージ優勝を飾ったエリッソンドはあまり注目されることはなかった。(c)AFP