【7月9日 AFP】国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)のパット・マッケイド(Pat McQuaid)会長は8日、開催中の2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)でメディアがレース以上にドーピング問題を取り上げることに対して嫌悪感を示し、現役選手を擁護する姿勢を見せた。

 ピレネー(Pyrenees)山脈での山岳ステージ初日となる第8ステージ(カストルからアクス・トロワ・ドメーヌ、195キロメートル)が6日に行われ、スカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome)がステージ優勝を飾った。

 レース後の記者会見でメディアはフルームに対し、ドーピングでツール7連覇のタイトルを剥奪され、自転車競技からの永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏を比較対象とする質問を浴びせた。

 マッケイド会長はAFPに対し、1990年代に現役だった元選手の汚名によって現役選手の名誉が損なわれることは理不尽だと語った。

「レース後の記者会見に出て、最初にドーピングについて聞かれるとは。もっとふさわしい質問があるだろう」

「ここ数日では、昨日(7日)とおとといの記者会見で選手が最初に答えさせられたのがドーピングについてだった。残念なことだ」

「先人であり、今や過去となった世代の選手が犯した過ちを元に現役選手が評価されるべきではないと、メディアは理解する必要がある。今活躍している選手は薬物に手を出すことなく清廉潔白なレースをしようと努力しているのであって、そこに敬意を払ってもらいたい」

「証拠はある。6日のステージだけに限れば、(BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)の)カデル・エヴァンス(Cadel Evans)や(チーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)の)アルベルト・コンタドール(Alberto Contador)といった大物選手が山岳ステージの初日に苦しんだ。以前だったら最初の山岳ステージで強豪選手の間に差がつくことはなく、2度目の山岳ステージで最終的な勝負が行われていた」

「ツール最初の山岳ステージを終えた今、すでに有力選手の間にも大きな差がついている。つまり、選手も人間であり、いい時もあれば悪い時もあるということだ。そういったことが、自転車界が変わったことを示している」

(c)AFP