【6月9日 AFP】第65回クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(65th Criterium du Dauphine)は8日、第7ステージ(ル・ポン・ド・クレからスペールドゥヴォリュイ、187.5キロメートル)が行われ、エウスカルテル・エウスカディ(Euskaltel Euskadi)のサムエル・サンチェス(Samuel Sanchez、スペイン)がステージ優勝を飾った。

 2008年の北京五輪、自転車ロードレースで金メダルを獲得しているサンチェスは、トップでゴールラインを通過しながら泣き崩れ、この勝利が特別な意味を持つことを明かした。

「昨年23歳で亡くなった元チームメイトのビクトル・カベド(Victor Cabedo)を偲び、この勝利を捧げる。先週には私の個人的な友人が亡くなった。私が2人のためにできる最高の贈り物は勝つことだった」

 昨年のロンドン五輪では負傷のため連覇への挑戦が断たれたサンチェスだったが、このステージでは接戦の末、一緒に集団から抜け出したアスタナ(Astana Pro Team)のヤコブ・フグルサング(Jakob Fuglsang、デンマーク)を振り切った。

 総合首位は依然、1ステージを残してスカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が守った。フルームは今季すでに複数の大会で総合優勝を果たしているが、この前哨戦で勝利を飾ってから7月に開幕するツール・ド・フランス(2013 Tour de France)で最高峰のタイトル獲得に挑みたいと目論んでいる。

 総合順位では2位にフルームのチームメイトのリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)がつけており、チーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のマイケル・ロジャース(Michael Rogers、オーストラリア)がガーミン・シャープ(Garmin Sharp)のローハン・デニス(Rohan Dennis)に代わって表彰台圏内となる3位に浮上している。

 9日に行われる最終ステージはシストロン(Sisteron)からリズール(Risoul)までの155.5キロメートルで、ヴァール峠(Col de Vars)を越えるコースのゴール直前には13.9キロメートルに及ぶ上りの急斜面が控えている。(c)AFP