【2月8日 AFP】米保険会社SCAプロモーションズ(SCA Promotions)は7日、ドーピングにより自転車競技からの永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏に対し、ツール・ド・フランス(Tour de France)優勝時に支払った報奨金の返還を求める訴訟を起こした。

 米テキサス(Texas)州を拠点とする同社は、2002年から04年にアームストロング氏がツール・ド・フランスを制覇した際に支払った金銭の返還を求めている。アームストロング氏は、7連覇した同大会のタイトルをすべて剥奪されている。

 SCAは、「支払った総額1200万ドル(約11億2000万円)の返還も含め、アームストロング氏が自らの行動の責任を取るのは今」としている。

 この訴訟はアームストロング氏に金銭的な損失を与えるだけにとどまらず、がんからの競技復帰や「リブストロング基金(Livestrong Foundation)」でのチャリティー活動を台無しにしたドーピング問題についての宣誓証言を余儀なくさせる可能性もある。

 ツール・ド・フランス連覇時に所属していた、「USポスタルサービス(U.S. Postal ServiceUSPS)」で複雑なドーピングプログラムの中心を担っていたアームストロング氏は、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)の提出した膨大な証拠により、自転車競技からの永久追放処分を受けた。

 アームストロング氏はこれまで否定し続けていたものの、前月、ツール・ド・フランス7連覇を果たした1999年から2005年に運動能力向上薬を使用していたことを認めている。(c)AFP