【2月6日 AFP】米連邦検察は5日、ランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏がツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇は数々の薬物を使用して手にしたものだったと告白したにもかかわらず、アームストロング氏を起訴する予定がないことを明らかにした。

 アームストロング氏の捜査で指揮を執った連邦検事のアンドレ・ビロット(Andre Birotte)氏は、なんらかの法的処置を取る可能性を否定しなかったものの、現時点で不起訴の判断に変更は無いと述べた。

 アームストロング氏がドーピングを行い、薬物使用について連邦捜査官を偽証してきた疑いを調査した連邦当局だが、ビロット氏は今後の方針について、「その件については1年以上前に決着がついている」と語った。

 1月に米女性司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏のトーク番組でアームストロング氏がドーピングを告白したことについて言及したビロット氏は、「アームストロング氏の発言や、その他の報道されている事実は皆さんがご存知のとおりだ」と語った。

「告白を受けても私たちの方針は変わらない。もちろん状況を見守りながら考慮していくが、現時点で私たちの意向は変わらない」

 アームストロング氏は、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)がドーピングを行っていた決定的な証拠を手にしたとしたため、2012年にツール・ド・フランス7連覇のタイトルが剥奪された。

 それまでドーピング疑惑を一貫して否定し続け、連邦捜査官の取り調べに対しても無罪を主張していたアームストロング氏だったが、1月に行われたテレビインタビューで自身の罪を認め、本性をさらけ出していた。

 インタビュー放送後には、アームストロング氏に対する捜査は再開されるのか、偽証罪で起訴されるのか、スポンサーや大会主催者は過去の大会の賞金の払い戻しを請求するのかといった、法的措置に関する様々な憶測が飛び交っていた。(c)AFP