【1月12日 AFP】スイスの反ドーピング研究所は11日、元自転車競技選手のランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏のドーピングの手助けを同研究所が行ったという米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)のトラビス・タイガート(Travis Tygart)会長の主張を否定した。

 スイス、ローザンヌ(Lausanne)の同研究所で所長を務めるマルティアル・ソジー(Martial Saugy)氏は 「私がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)のテストを逃れる鍵を渡したというが、答えは明確にノーだ」と記者会見で述べた。

 USADAのタイガート会長は9日に放送された米CBSテレビのインタビューで、2002年にソジー氏がアームストロング氏に対しEPOのテストについて助言を行ったと主張した。

 また、アームストロング氏の検体からEPOの使用を示す結果が出たことをソジー氏から聞かされたと語ったタイガート会長は、国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)から、EPOのテスト過程の説明するためアームストロング氏とアームストロング氏がかつて所属していたチームを率いていたヨハン・ブリュイネール(Johan Bruyneel)氏と面会するよう依頼されたことをソジー氏から伝えられたとコメントし、「全くもって不適切だ」と述べた。

 ソジー氏は11日、UCIが2人と会うように依頼したことは認めたものの、「事情を踏まえやったことで、納得している。誰かが書いているような手違いでもなく、世間知らずな行為だったわけではない」とコメントした。

 またソジー氏は、EPOの使用を最初に発見した研究所が検査をどのように回避するかをアームストロング氏に教示するのは「矛盾」になるだろうと付け加えた。(c)AFP