【12月29日 AFP】ドーピングを行ったとして国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)からツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇のタイトル剥奪と自転車競技からの永久追放の処分を受けた元自転車競技選手のランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、処分に対する不服申し立てを行わなかったことが、スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for SportCAS)の発表により分かった。

 UCIは今月6日、永久追放処分に対する不服申し立ての期限が27日であることをアームストロング氏に通達していたが、CASによると期日になっても同氏からの申し立てはなかったという。

 スポーツ史上最大のドーピング不祥事の中心的人物とされたアームストロング氏の名前は、1998年8月以降に残した成績がUCIによりすべて無効とされたことで、自転車競技の記録から消えた。

 一貫して禁止薬物使用を否定してきたアームストロング氏は8月、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)からの告発に対する異議申し立てを取り下げ、法廷闘争を行わない意向を表明していた。

 処分に対する不服申し立てが行われなかったため、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)は、アームストロング氏が2000年シドニー五輪の自転車ロードレース、男子個人タイムトライアルで獲得した銅メダルの返却を同氏に要求できるようになった。(c)AFP