【8月24日 AFP】(記事更新)世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7連覇したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は23日、ドーピング違反を告発した米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)とこれ以上争わないことを決めたと語った。

 無実を主張するアームストロング氏は、USADAによる告発の取り下げを求めて連邦裁判所に申し立てを行っていたものの棄却され、今回の判断を下した。

 アームストロング氏は、USADAの行動は自身に対する「魔女狩り」であり、いっぱいの手札で相手を弄んでいるだけだと非難している。

 同氏は23日に自身のホームページ上で、「今日、私はページをめくる。結果に関らず、この問題からは手を引くことに決めた。これからは、ツールで勝つ前に携わっていた仕事に全力を注ぐつもりだ」と声明を発表した。

 40歳のアームストロング氏はまた、「誰にも『もう十分だ』という限界が来るときがあり、自分にとっては今がそうだった。家族や財団の仕事や自分への影響も考えて、この無意味なものに終止符を打つという今回の結論に達した」と記し、法廷闘争により心身がすり減り、それが個人生活や選手生活にまで影響を及ぼしていたことを明かした。

 アームストロング氏がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドなどの禁止薬物を使用し、1986年から自己輸血などの禁止行為を行ったとしているUSADAはこれを受け、同氏は1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝を剥奪され、永久追放処分を受けるだろうと示唆している。(c)AFP