【7月16日 AFP】2012ツール・ド・フランス(2012 Tour de France)は15日、第14ステージ(リムーからフォワ、191キロメートル)が行われ、ラボバンク(Rabobank)のルイスレオン・サンチェス(Luis Leon Sanchez、スペイン)が4時間50分29秒で今大会3度目のステージ優勝を飾った。

 同ステージでは、何者かによってステージ最後の登坂区間にびょうがまかれ、タイヤがパンクする選手が続出するアクシデントに見舞われた。

 アクシデントに巻き込まれながらも、チームの迅速な対応でバイクを交換したスカイ(Sky Pro Cycling)のブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins、英国)は、トップから18分15秒遅れの15位でゴールし、合計タイム64時間41分16秒で総合首位(マイヨ・ジョーヌ)を守りった。

 ウィギンスのチームメイトのクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が2分5秒差で総合2位を守り 総合3位には2分23秒差でリクイガス・キャノンデール(Liquigas Cannondale)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)、4位には3分19秒差でBMCレーシングチーム(MC Racing Team)のカデル・エヴァンス(Cadel Evans、オーストラリア)が続き、上位の順位変動はなかった。

 エヴァンスは後輪がパンクし、スペアのタイヤを待ったことで2分以上のタイムロスをした。ところが再度パンクし、2度目のタイヤ交換時には手伝っていたチームマネージャーのジム・オコウィッツ(Jim Ochowicz)氏が溝に滑り落ちるハプニングも起こると、さらに3度目のパンクに見舞われるなど散々なレースとなった。

 総合優勝争いをしているウィギンスにとっては、合計タイムでさらにエヴァンスを引き離すチャンスだったが、先頭集団を率いたスカイのチームはペースを落としてエヴァンスを待った。レースに復帰後、先頭集団に戻ろうと必死にスピードを上げたエヴァンスは、ウィギンスらが待ってくれているとは思わなかったことを明かした。

 一方ウィギンスは、「数人がパンクすることはあるけど、16人が同時にパンクしたとなると何か事故が起こったことは明確だった」とコメントした。

 レース後、レースディレクターのジャン・フランソワ・ペシュー(Jean-Francois Pescheux)氏は「1人か2人の人間がペゲール(Peguere)の山頂から200メートルほど手前にびょうをばら撒いたことが判明した。なぜそんなことをしたのかは分からないが、30人ほどの選手がパンクし、数個のびょう刺さったタイヤもあった」と説明した。

 また、大会総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は行為を強く非難し、「大事故になっていた可能性もある。滅多に起こらないことだが、とても危険だ。馬鹿げた行為をした者を責めることしかできない」とコメントした。

 チーム・ユーロップカーの新城幸也(Yukiya Arashiro)は、トップから28分18秒遅れの126位で第14ステージを終え、総合順位は93位となっている。(c)AFP/Justin DavisDavis