【8月11日 AFP】自転車ロードレースのプロチームのディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチーム(Discovery Channel Pro Cycling Team)を所有・運営する「Tailwind Sports」は10日、同社によるディスカバリーチャンネルの運営が2007年シーズン限りで終了すると発表した。

 ディスカバリーチャンネルは、過去9年間のツール・ド・フランス(Tour de France)でその前身であるUSポスタルサービス(U.S. Postal Service)を含めて、ランス・アームストロング(Lance Armstrong、米国)氏による1999年から2005年までの7大会連続での総合優勝や2007年のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)の総合優勝で合計8回の優勝を誇り、自転車ロードレースでは最も成功したチームの1つに挙げられる。しかしTailwindは、2008年のスポンサー契約を結ぶことが出来なかった。

 チームのゼネラルマネージャーを務めるビル・ステイプルトン(Bill Stapleton)氏は、「難しい決断だった。ツール・ド・フランスで優勝したし簡単では無かった。我われはいくつかの企業とスポンサー契約についての交渉を行い、新たなスポンサーを迎えられると確信した。しかし交渉が終わってしまった。Tailwindは、USポスタルサービスや最近ではディスカバリーチャンネルのスポンサーと共に輝かしい10年を築いた。おそらくスポーツ歴史の中で最も成功したスポーツ・フランチャイズだろう」と語り、チームの共同オーナーのアームストロング氏は、「私はチームの終焉とは思わない、またチームが撤退の危機にさらされる前にフロントはより一つにまとまり、改善すべきことは多いことは明らかだ」と語った。ディスカバリーチャンネルは、ブエルタ・ア・エスパーニャ2007(Vuelta a Espana 2007)を含む2007年シーズンのプロツール全日程に参戦する見込みである。

 またディスカバリーチャンネル(USポスタルサービスを含む)を8回優勝に導いたチーム・マネージャー、ヨハン・ブリュイネール(Johan Bruyneel)氏は、2007年シーズン限りで引退を表明し、「私に出来ることは全てやり遂げた。これまでも『トップから降りたい』と言ってきたが、今がその時だと判断した」とコメントしている。

 2007年のツール・ド・フランスを制したアルベルト・コンタドールは、マドリードでドーピング疑惑を否定する会見を行った後にこの知らせを受けて、関係者に「驚いた」と語っている。(c)AFP