【7月19日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のボストン・セルティックス(Boston Celtics)からブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)に移籍したケビン・ガーネット(Kevin Garnett)、ポール・ピアース(Paul Pierce)、ジェイソン・テリー(Jason Terry)が18日、新天地で入団会見を行った。

 ネッツのオーナーであるロシアの大富豪、ミハイル・プロホロフ(Mikhail Prokhorov)氏、ジェイソン・キッド(Jason Kidd)ヘッドコーチ(HC)、そしてビリー・キング(Billy King)ジェネラル・マネージャー(GM)が同席する中3人は、チャンピオンシップ2連覇中のマイアミ・ヒート(Miami Heat)を退けてNBA王者の座を奪うことを目標に掲げた。

 セルティックスがロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)と戦った07-08NBAファイナルでは、ピアースが最優秀選手(MVP)に選出された一方で、ガーネットはインサイドを支配して優勝に一役買った。

 また、テリーは2011年に当時所属していたダラス・マーベリックス(Dallas Mavericks)でヒートとのファイナル制覇に貢献し、その後12-13シーズンからセルティックスに加入した。

 ピアースは、「優勝に必要な要素は全てそろった。あとはこれらの要素を一つに統合する方法を見つけ出さなければいけない。優秀な選手はどうすればいいか考えることができる。そして我々にもその能力がある」と話した。

 ガーネットは、「我々が目指すのは優勝。そしてネッツに移籍したことによって、最良の機会を与えられた。すでにネッツが持っている戦力に、ここにいる我々が加わり、全てを勝ち獲るチャンスを得た」と言う。

■新戦力を加え、早急に強豪チームとなりたいネッツ

 ネッツは昨シーズン、レギュラーシーズンを49勝33敗で終え、イースタンカンファレンスのプレーオフに進出は果たしたものの、1回戦でシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)に退けられた。

 ガーネットとピアースが、既存メンバーであるデロン・ウィリアムス(Deron Williams)、ジョー・ジョンソン(Joe Johnson)、ブルック・ロペス(Brook Lopez)とともに先発入りし、テリーが同じく新戦力として加入したアンドレイ・キリレンコ(Andrei Kirilenko)とともにベンチで控えることとなると、ネッツは恐るべき強豪チームとなる可能性がある。

 ピアースは新しいチームでプレーするにあたって、「チーム最強の選手たちと最高峰を目指す。現在のチャンピオンはマイアミだ。シカゴやインディアナ・ペイサーズ(Indiana Pacers)も優勝候補。しかしその次には我々がいると思ってもらいたい」と自信をのぞかせた。

「俺とケビンとジェット(ジェイソン・テリーの愛称)、そしてジェイソン(・キッドHC)にはエゴなんてない。ただチャンピオンシップに挑みたいだけだ」

 オーナーのプロホロフ氏はネッツの急速な強化を目指し、多額を投じて力と経験とリーダーシップを持つ新戦力を得た。ピアースはセルティックスで過ごした過去15シーズンで1試合平均21.8得点、6リバウンドを記録しており、ガーネットはキャリアを通じて19.1得点、10.5リバウンドをマークしている。

 ピアースは、「15年間も同じ状況下でプレーするのは大変だった。しかし次に進まなければいけない時期がやってくる。僕はブルックリンに軌跡を残すためにここに来たんだ」と言う。

「ネッツはチャンピオンシップを勝ちとるために、色々な要素をチームに持ってきている。我々はたくさんの刺激をもたらすことができるだろう」

■選手起用の戦略に知恵を絞るキッドHC

 82試合のレギュラーシーズン中、選手全員に出場のチャンスを割り当てなければいけないのと同時に、プレーオフに向け平均年齢が高いチーム全体の健康状態を維持しなければいけないキッドHCは、その方法に頭を悩ませている。

「選手の数が多いので、1試合で1人35分ずつプレーしなければいけないということはない。私の仕事は、時計をよく見て選手のプレー時間に目を光らせることだ」とキッドHCは話す。

「もしかしたら出場機会がない試合もあるかもしれないが、選手たちがいい状態でプレーオフに進出することが、長い目で見ての目標だ」

 また、ガーネットはいくらスター選手がそろっても、最終的にはプレーヤーがどれだけ息を合わすことができるかにかかっていると話す。

「チームメンバーがどれだけ波長を合わすことができるか、どれだけ早く協力体制を築くことができるかが課題となる。みんなそれぞれ、自分を犠牲にしなくてはならない」

「特にディフェンスは重要度が高い。みんな自分が不得手なこともやっていかなければいけない。それが唯一、チームがうまくいく方法だ」

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