【5月11日 AFP】米競売業者のゴールディン・オークションズ(Goldin Auctions)社が競売にかける意向を示していた米プロバスケットボール協会(NBA)のスター選手、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)にまつわる品物について、カリフォルニア州(California)の連邦地方裁判所は販売の一時差し止めを命じた。

 品物の所有権をめぐり、コービー本人と母親のパメラ・ブライアント(Pamela Bryant)さんの対立は法廷闘争に発展しており、12日の母の日までに決着する見込みはない。

 ニュージャージー(New Jersey)州に拠点を置くゴールディン社は、コービーがペンシルベニア(Pennsylvania)州で過ごした高校時代や、キャリア初期の思い出の品など100点以上を競売にかける予定だった。

 裁判所に提出された文書によると、自分はいらないから好きなように処分していいと言われたとパメラさんが主張したのに対し、ブライアントは否定している。

 ゴールディン社は持ち込まれた品物に対して総額150万ドル(約1億5000万円)の落札予定価格を見積もっており、パメラさんに対して前払い金45万ドル(約4500万円)を支払っている。

 ゴールディン社がオークションをウェブサイトに告知した際、これを見たコービー側の弁護士が同社に対して競売の停止を求めたると、ゴールディン社はニュージャージー州の裁判所に所有権を主張する訴訟で応酬した。

 コービー側はカリフォルニア州の連邦地方裁判所に不服を申し立てを行い、これを受けてカリフォルニア州の裁判官は9日、競売会社に対して両者の聴聞を行う13日まで一時的に販売の差し止めを命じた。

 出品予定の品物には、ローワー・メリオン高校(Lower Merion High School)時代のユニホームや賞の数々、コービーが両親のために特注したNBAのチャンピオンシップリングなどが含まれている。

 コービーによると、彼の品物を転売していいと言った事実がないことは母親自身もニュージャージー州の裁判所に提出された書類で認めている。

 提出文書でコービーは、「私が母に、『記念品をもらっていいなんて言ったことはないだろう』と言ったら、母は『そうだけど、あなたは自分が持っていたいと言ったこともなかったわ』と答えた。もちろんこれは事実ではない。私と妻は数年前にもこうした記念品を返して欲しいと母に訴えている」と主張している。

 問題となっている記念の品々はコービーにとって「精神的に計り知れない価値」を持っており、自分の子供に受け継ぎたいと考えている。

 ブライアントにはヴァネッサ夫人との間に2人の娘がおり、カリフォルニア州オレンジ郡(Orange County)に自宅を構えている。

 ブライアントの父親、ジョー・ブライアント(Joe Bryant)氏もかつてNBAで選手として活躍し、現役引退後は様々なチームでコーチを務めてきたが、近年は親子関係が冷え切っているとされている。(c)AFP