【4月30日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のジェイソン・コリンズ(Jason Collins)選手が、29日発売の「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」誌の特集記事で、同性愛者であることを告白した。

 米4大スポーツ(NBA、米大リーグ(MLB)、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、北米アイスホッケーリーグ(NHL))の現役選手がカミングアウトするのは、これが初めて。

 センターのコリンズは、NBAで6チームを渡り歩き、通算12シーズンを経験。今季はボストン・セルティックス(Boston Celtics)とワシントン・ウィザーズ(Washington Wizards)でプレーした。また、ニュージャージー・ネッツ(New Jersey Nets、現ブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets))でプレーしていた2001-02シーズンと02-03シーズンにはファイナルまで進んだ。現在はフリーエージェント(FA)となっている。

 特集記事は「俺は34歳のNBAのセンターだ。俺は黒人でゲイだ」という文章から始まる。「米メジャースポーツで初めてゲイだと公表するアスリートになろうと思っていたわけではない。でも俺がゲイなのは事実だから。そのことを話せてうれしいよ」

 「教室で手をあげて『俺はみんなと違うんだ』って言う子にはなりたくなかった。もし先に誰かがやってくれていたら、道を開いてくれていたら、と思う。でも誰もいなかった。だから俺が手をあげるんだ」

 この重大な告白を受けて、どのチームがコリンズと契約するのか、あるいは契約するチームが現れるのか、また新たなチームメイトの彼に対する接し方にも注目が集まる。

 一方、コリンズの勇気ある行動に、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、ビル・クリントン(Bill Clinton)米元大統領やNBAのデビッド・スターン(David Stern)コミッショナーは支持を表明。クリントン元大統領の娘チェルシー(Chelsea Clinton)さんは、スタンフォード(Stanford)大学でコリンズと学友だった。

 オバマ大統領の側近は、「大統領はジェイソン・コリンズに電話をかけて支持を表明し、彼の勇気に感銘を受けたと伝えた」と明かしている。(c)AFP