【10月26日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のデビッド・スターン(David Stern)コミッショナーは25日、就任からちょうど30年となる2014年2月1日に退任すると発表した。

 就任以来、リーグと選手の世界規模での人気拡大を成し遂げてきたスターン氏は、同日開かれたNBA理事会で自身の決断について表明。後任は副コミッショナーのアダム・シルバー(Adam Silver)氏が務めることになる。

 この決定について理事会のピーター・ハート(Peter Hart)会長は、「アダムは我々を次のレベルへ引き上げてくれるだろう」とコメントした。

 スターン氏は1978年に総合顧問としてNBAに加わると、80年には取締役副会長に就任。84年にラリー・オブライエン(Larry O'Brien)氏の後任としてコミッショナー職に就いた。

 在職期間を振り返ってスターン氏は、「すばらしい時間だったが、まだ15カ月残っている。リーグは申し分ない状況にある。十分な仕事をしたと思いたいところだが、最大の業績のひとつは、後進に道を譲る決断をしたことだろう。そうすることで、リーグは次のレベルへ進むことができる」とコメントした。

 スターン氏のコミッショナー在任中にNBAはチーム数を23から30へ拡大。一方で1992年のバルセロナ五輪ではNBA選手を初めて五輪に送り込み、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏やチャールズ・バークレイ(Charles Barkley)氏らスーパースターで構成された「ドリームチーム」が金メダルを手にしたことで、一気に世界的な人気を獲得した。

 スターン氏がコミッショナーの座に就くと同時にNBAは、ボストン・セルティックス(Boston Celtics)へ入団したラリー・バード(Larry Bird)氏、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)へ入団したマジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏の2人の新人のライバル関係を軸に、急成長を遂げた。(c)AFP