中国で光輝くNBAのかつての「問題児」
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【12月11日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)で13年間プレーしたかつての「悪童」ステフォン・マーブリー(Stephon Marbury)が、現在所属する中国プロバスケットボールリーグ(Chinese Basketball Association:CBA)の北京ダックス(Beijing Ducks)で、生まれ変わった姿を見せている。
開幕7試合で1試合平均22得点、6アシストを記録しているマーブリーは、昨シーズン王者の広東サザンタイガース(Guangdong Southern Tigers)、2位の新疆フライングタイガース(Xinjiang Flying Tigers)から勝利を収めたダックスの開幕好発進に貢献し、チームに初優勝の希望をもたらしている。
CBAリーグで3年間を過ごしているマーブリーは、現在中国でプレーする元NBA選手の中で最も話題になった選手であるだけでなく、国営テレビに定期的に出演し、米マイクロブログのツイッター(Twitter)のフォロワー数は16万3000人を超え、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)にコラムを寄稿するなど、その人気を一過性のものとしていない。
フライングタイガースの監督で、中国代表監督も兼任しているボブ・ドンワルド(Bob Donewald)氏は「マーブリーはCBAリーグ史上最高の選手かもしれない。この調子でいけばダックスは素晴らしいシーズンを送ることになるだろう。彼がチームに大きな自信をもたらし、素晴らしいプレーに貢献している。彼のリーダーシップが要因だと言うほかない」と語った。
NBAの労使協定交渉が難航したことにより、多くの米国人選手が中国に活躍の場を移しているが、マーブリーは現在フライングタイガースでプレーしている元デンバー・ナゲッツ(Denver Nuggets)のケニオン・マーティン(Kenyon Martin)や、元ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trailblazers)のパトリック・ミルズ(Patrick Mills)よりも優れている。
ダックスが99-97で新疆フライングタイガースに辛勝した2日の試合後にマーブリーはAFPの取材に対し、「ディフェンスが成功の鍵だった。ディフェンスを徹底したことで、攻撃への移行が簡単になった。リバウンドを取り、スティールを試み、チームメイトにフリーでシュートを狙わせるなど、俺が続けているほとんどの事は試合に勝つためだ」と話した。
ポイントガード(PG)のマーブリーは「シュート優先で、パスは二の次」といった自己中心的なプレーがしばしば見られ、指揮官やチームメイトとの関係をこじらせ、NBAで活躍する選手としてのキャリアを台無しにしたが、ダックスではチームメイトにシュートを打たせて信頼を獲得し、チームをより良くしようという姿勢を見せている。
ダックスは元アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)のランドルフ・モリス(Randolph Morris)が1試合平均22ポイント、10リバウンドを記録するなど、4人の選手が1試合平均10得点以上、2人の選手が平均9得点を記録している。
マーブリーは「俺たちはボールを共有し、空いている選手にボールを回すことが求められている。誰もが役割を認識していて、チーム全員で得点を狙うんだ。最初はショックを受けたが、1週間ともに練習した後には彼らが素晴らしいシュート力を持っていることに気付いたんだ」と語った。
腕に中国名の「马布里(マブリ)」という刺青を入れているマーブリーは、中華料理を食べ、中国語を話すなど、環境に慣れるためのことはすべて行ってきたが、チームメイトとの距離を最も縮めたものは「勝利」だった。
チームメイトのチェン・ルイ(Chen Lei)は、マーブリーについて「試合後、彼がいかに上手くボールを回していたかに気付くんだ。彼は全員により多くの機会を与え、正しい場所に正しいタイミングでボールを回してくれるから、楽にシュートを狙うことができる」と語っている。
2009-10シーズンにCBAリーグに加入して以来、マーブリーは米国で最低価格15ドル(約1170円)で販売している自身のブランド「スターブリー(Starbury)」のシューズを、推定3億人とされる中国のバスケットボールファンに届けたいと公言してきた。
マーブリーがダックスと契約を結んだことでブランドの拠点は中国の主要都市に移り、クリスマスシーズンにはシューズが中国全土の靴店の店頭に並ぶ予定だ。
ダックスのミン・ルーレイ(Min Lulei)監督はAFPの取材に対し、マーブリーが商売に力を入れてもチームの集中力が欠けるようなことは無いとの見解を示し、「マーブリーのような選手を指揮することができて幸運だ。彼はプロ意識が高く、注意散漫になることはない。彼が試合で素晴らしいプレーを披露すれば、彼の事業も上手くいくだろう」と語った。(c)AFP/Robert Saiget
開幕7試合で1試合平均22得点、6アシストを記録しているマーブリーは、昨シーズン王者の広東サザンタイガース(Guangdong Southern Tigers)、2位の新疆フライングタイガース(Xinjiang Flying Tigers)から勝利を収めたダックスの開幕好発進に貢献し、チームに初優勝の希望をもたらしている。
CBAリーグで3年間を過ごしているマーブリーは、現在中国でプレーする元NBA選手の中で最も話題になった選手であるだけでなく、国営テレビに定期的に出演し、米マイクロブログのツイッター(Twitter)のフォロワー数は16万3000人を超え、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)にコラムを寄稿するなど、その人気を一過性のものとしていない。
フライングタイガースの監督で、中国代表監督も兼任しているボブ・ドンワルド(Bob Donewald)氏は「マーブリーはCBAリーグ史上最高の選手かもしれない。この調子でいけばダックスは素晴らしいシーズンを送ることになるだろう。彼がチームに大きな自信をもたらし、素晴らしいプレーに貢献している。彼のリーダーシップが要因だと言うほかない」と語った。
NBAの労使協定交渉が難航したことにより、多くの米国人選手が中国に活躍の場を移しているが、マーブリーは現在フライングタイガースでプレーしている元デンバー・ナゲッツ(Denver Nuggets)のケニオン・マーティン(Kenyon Martin)や、元ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trailblazers)のパトリック・ミルズ(Patrick Mills)よりも優れている。
ダックスが99-97で新疆フライングタイガースに辛勝した2日の試合後にマーブリーはAFPの取材に対し、「ディフェンスが成功の鍵だった。ディフェンスを徹底したことで、攻撃への移行が簡単になった。リバウンドを取り、スティールを試み、チームメイトにフリーでシュートを狙わせるなど、俺が続けているほとんどの事は試合に勝つためだ」と話した。
ポイントガード(PG)のマーブリーは「シュート優先で、パスは二の次」といった自己中心的なプレーがしばしば見られ、指揮官やチームメイトとの関係をこじらせ、NBAで活躍する選手としてのキャリアを台無しにしたが、ダックスではチームメイトにシュートを打たせて信頼を獲得し、チームをより良くしようという姿勢を見せている。
ダックスは元アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)のランドルフ・モリス(Randolph Morris)が1試合平均22ポイント、10リバウンドを記録するなど、4人の選手が1試合平均10得点以上、2人の選手が平均9得点を記録している。
マーブリーは「俺たちはボールを共有し、空いている選手にボールを回すことが求められている。誰もが役割を認識していて、チーム全員で得点を狙うんだ。最初はショックを受けたが、1週間ともに練習した後には彼らが素晴らしいシュート力を持っていることに気付いたんだ」と語った。
腕に中国名の「马布里(マブリ)」という刺青を入れているマーブリーは、中華料理を食べ、中国語を話すなど、環境に慣れるためのことはすべて行ってきたが、チームメイトとの距離を最も縮めたものは「勝利」だった。
チームメイトのチェン・ルイ(Chen Lei)は、マーブリーについて「試合後、彼がいかに上手くボールを回していたかに気付くんだ。彼は全員により多くの機会を与え、正しい場所に正しいタイミングでボールを回してくれるから、楽にシュートを狙うことができる」と語っている。
2009-10シーズンにCBAリーグに加入して以来、マーブリーは米国で最低価格15ドル(約1170円)で販売している自身のブランド「スターブリー(Starbury)」のシューズを、推定3億人とされる中国のバスケットボールファンに届けたいと公言してきた。
マーブリーがダックスと契約を結んだことでブランドの拠点は中国の主要都市に移り、クリスマスシーズンにはシューズが中国全土の靴店の店頭に並ぶ予定だ。
ダックスのミン・ルーレイ(Min Lulei)監督はAFPの取材に対し、マーブリーが商売に力を入れてもチームの集中力が欠けるようなことは無いとの見解を示し、「マーブリーのような選手を指揮することができて幸運だ。彼はプロ意識が高く、注意散漫になることはない。彼が試合で素晴らしいプレーを披露すれば、彼の事業も上手くいくだろう」と語った。(c)AFP/Robert Saiget