スパーズが圧倒した2007年のNBA
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【12月29日 AFP】06-07NBAを制したサンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)は、黄金時代を築いた『王朝』と呼ばれるチームの一つに数えられるに相応しいチームとなった。しかしその直後のシーズオフにレフリーが賭博組織との関わり合いを持っていたことが明らかとなり、大きなスキャンダルとしてNBAの歴史に暗い影を落としてしまうことになる。
■スパーズ『王朝』の誕生
ティム・ダンカン(Tim Duncan)とトニー・パーカー(Tony Parker)を擁するスパーズは、西カンファレンス・準決勝でフェニックス・サンズ(Phoenix Suns)と対戦。波乱はスパーズが2勝1敗で迎えた第4戦の終盤に起きた。2点のリードを奪い残り18秒の場面でボールをコントロールして時間の消費を図ったサンズのスティーブ・ナッシュ(Steve Nash)に対してスパーズのロバート・オーリー(Robert Horry)が激しいファウルを犯し、両チームがもみ合いとなる。その時ベンチから飛び出してしまったサンズのアマレ・スタウドマイアー(Amare Stoudemire)とボリス・ディーオウ(Boris Diaw)は、NBAからルール違反を犯したとして1試合の出場停止処分を科せられてしまう。第4戦では勝利を挙げながらも次戦で2人の主力を欠いたサンズに対し、続く第6戦でも勝利を収めたスパーズはユタ・ジャズ(Utah Jazz)との西カンファレンス・決勝も難なく制し、ファイナルへの切符を手にした。
一方の東カンファレンス・決勝では、デトロイト・ピストンズ(Detroit Pistons)相手にクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)のレブロン・ジェームス(LeBron James)が『魔法のような力』を発揮してみせた。2勝2敗のタイで迎えた第5戦はダブル・オーバータイムにもつれ込む接戦となったが、この試合48得点を記録したレブロンは2度のオーバータイムのチームの全得点を含む連続25得点を挙げる活躍でチームを勝利に導いた。続く第6戦でも勢いを失わなかったキャバリアーズは98-82でピストンズを降し、対戦成績4勝2敗でチーム史上初のファイナル進出を果たす。
厳しいプレーオフを勝ち抜いた両チームのファイナルとなったが、スパーズはキャバリアーズとの格の違いを見せつけ、あっさりとスウィープ(4勝0敗)でファイナルを制し、直近9年の間に4度目となるタイトルを手に入れた。
■賭博に汚されたNBA
サンアントニオ・スパーズという新しい『王朝』が誕生した直後のオフだったが、NBAとコミッショナーのデビッド・スターン(David Stern)氏は、歴史上でも「最も最悪な出来事」の一つに挙げられるであろう問題に直面する。
6月に連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)はレフリーのティム・ドナフィ(Tim Donaghy)を、審判を務める試合などで賭博を行い、別の賭博者に情報を流していた疑いがあるとして調査に乗り出し、13年のキャリアを持つ当事者のドナフィ本人は賭博者に情報を売っていたと罪を認めた。
このレフリーによる賭博・不正工作問題に関してコミッショナーのデビッド・スターン氏は、「これまで私は一NBAファンとして、NBAの外部顧問として、またコミッショナーとしてNBAに携わってきたが、これは最も最悪な出来事だ」と落胆の色を隠さなかった。
■オフに注目を集めたビッグネーム
しかし7月にはこの暗い話題を吹き飛ばすようなトレードが発表された。ケビン・ガーネット(Kevin Garnett)の移籍だ。NBAデビュー以来、ミネソタ・ティンバーウルブズ(Minnesota Timberwolves)に忠誠を誓っていたガーネットだったが、一向に好転しないチームを遂に離れ、NBA有数の名門チームであるボストン・セルティックス(Boston Celtics)に移籍することを決意。シアトル・スーパーソニックス(Seattle SuperSonics)からレイ・アレン(Ray Allen)も獲得していたセルティックスは、この新加入の2人とチームのエースであるポール・ピアース(Paul Pierce)とでリーグ最強のトリオを形成することに成功し、一躍大注目のチームとなった。
また06-07シーズン途中にフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)からデンバー・ナゲッツ(Denver Nuggets)に移籍したアレン・アイバーソン(Allen Iverson)は、07-08シーズン開幕からカーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)とコンビを組む。
ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のコービー・ブライアント(Kobe Bryant)は、ファイナル開催中にトレードを志願し、その2週間後にはフロントとチームメイトであるアンドリュー・バイナム(Andrew Bynum)を批判している内容のビデオが動画投稿・配信サイトのユーチューブ(YouTube)に掲載されてしまうなどの騒動を巻き起こした。(c)AFP/Greg Heakes
■スパーズ『王朝』の誕生
ティム・ダンカン(Tim Duncan)とトニー・パーカー(Tony Parker)を擁するスパーズは、西カンファレンス・準決勝でフェニックス・サンズ(Phoenix Suns)と対戦。波乱はスパーズが2勝1敗で迎えた第4戦の終盤に起きた。2点のリードを奪い残り18秒の場面でボールをコントロールして時間の消費を図ったサンズのスティーブ・ナッシュ(Steve Nash)に対してスパーズのロバート・オーリー(Robert Horry)が激しいファウルを犯し、両チームがもみ合いとなる。その時ベンチから飛び出してしまったサンズのアマレ・スタウドマイアー(Amare Stoudemire)とボリス・ディーオウ(Boris Diaw)は、NBAからルール違反を犯したとして1試合の出場停止処分を科せられてしまう。第4戦では勝利を挙げながらも次戦で2人の主力を欠いたサンズに対し、続く第6戦でも勝利を収めたスパーズはユタ・ジャズ(Utah Jazz)との西カンファレンス・決勝も難なく制し、ファイナルへの切符を手にした。
一方の東カンファレンス・決勝では、デトロイト・ピストンズ(Detroit Pistons)相手にクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)のレブロン・ジェームス(LeBron James)が『魔法のような力』を発揮してみせた。2勝2敗のタイで迎えた第5戦はダブル・オーバータイムにもつれ込む接戦となったが、この試合48得点を記録したレブロンは2度のオーバータイムのチームの全得点を含む連続25得点を挙げる活躍でチームを勝利に導いた。続く第6戦でも勢いを失わなかったキャバリアーズは98-82でピストンズを降し、対戦成績4勝2敗でチーム史上初のファイナル進出を果たす。
厳しいプレーオフを勝ち抜いた両チームのファイナルとなったが、スパーズはキャバリアーズとの格の違いを見せつけ、あっさりとスウィープ(4勝0敗)でファイナルを制し、直近9年の間に4度目となるタイトルを手に入れた。
■賭博に汚されたNBA
サンアントニオ・スパーズという新しい『王朝』が誕生した直後のオフだったが、NBAとコミッショナーのデビッド・スターン(David Stern)氏は、歴史上でも「最も最悪な出来事」の一つに挙げられるであろう問題に直面する。
6月に連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)はレフリーのティム・ドナフィ(Tim Donaghy)を、審判を務める試合などで賭博を行い、別の賭博者に情報を流していた疑いがあるとして調査に乗り出し、13年のキャリアを持つ当事者のドナフィ本人は賭博者に情報を売っていたと罪を認めた。
このレフリーによる賭博・不正工作問題に関してコミッショナーのデビッド・スターン氏は、「これまで私は一NBAファンとして、NBAの外部顧問として、またコミッショナーとしてNBAに携わってきたが、これは最も最悪な出来事だ」と落胆の色を隠さなかった。
■オフに注目を集めたビッグネーム
しかし7月にはこの暗い話題を吹き飛ばすようなトレードが発表された。ケビン・ガーネット(Kevin Garnett)の移籍だ。NBAデビュー以来、ミネソタ・ティンバーウルブズ(Minnesota Timberwolves)に忠誠を誓っていたガーネットだったが、一向に好転しないチームを遂に離れ、NBA有数の名門チームであるボストン・セルティックス(Boston Celtics)に移籍することを決意。シアトル・スーパーソニックス(Seattle SuperSonics)からレイ・アレン(Ray Allen)も獲得していたセルティックスは、この新加入の2人とチームのエースであるポール・ピアース(Paul Pierce)とでリーグ最強のトリオを形成することに成功し、一躍大注目のチームとなった。
また06-07シーズン途中にフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)からデンバー・ナゲッツ(Denver Nuggets)に移籍したアレン・アイバーソン(Allen Iverson)は、07-08シーズン開幕からカーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)とコンビを組む。
ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のコービー・ブライアント(Kobe Bryant)は、ファイナル開催中にトレードを志願し、その2週間後にはフロントとチームメイトであるアンドリュー・バイナム(Andrew Bynum)を批判している内容のビデオが動画投稿・配信サイトのユーチューブ(YouTube)に掲載されてしまうなどの騒動を巻き起こした。(c)AFP/Greg Heakes