【8月1日 AFP】米紙ニューヨーク・デーリー・ニューズ(New York Daily News)は31日、ドーピングへの関与が疑われているニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)を含めた9選手に対し、米大リーグ機構(MLB)が今週中にも出場停止処分を言い渡すと報じた。

 同紙は関係者の話として、ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)で行われた話し合いで、機構側が選手の処分案を選手会側に提示したとしている。

 ロドリゲスは半年前に発覚した問題で、フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)のクリニック「バイオジェネシス(Biogenesis)」から禁止薬物の提供を受けたとされる選手の一人だった。

 ほとんどの選手が50試合の出場停止処分になるとみられているが、数名の選手はうその証言で捜査を妨害したとして、より厳しい処分が下される可能性がある。

 報道ではまた、捜査で不正を行ったとする十分な証拠が得られなかったため、バイオジェネシスとの関係が取りざたされた選手全員が出場停止になるわけではないと伝えている。

 ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)のライアン・ブラウン(Ryan Braun)をはじめ、オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)のバートロ・コロン(Bartolo Colon)、トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)のメルキー・カブレラ(Melky Cabrera)といった一部の選手は、この問題による出場停止処分をすでに受けている。

■A・ロッド側は上訴の方針、コミッショナーは永久追放を視野に

 ロドリゲスの弁護士を務めるデビッド・コーンウェル(David Cornwell)氏は、同選手はどんな処分に対しても不服申し立てを行う方針であると明らかにしている。

 ロドリゲスは1月に左股関節の手術を受けて戦列を離れたが、現在は8月上旬の復帰を目指している。

 報道によると、捜査官はロドリゲスが2010年と2011年、2012年に禁止薬物を使用したことを裏付ける電子メールや通話記録、テキストメッセージなどの決定的な証拠を手に入れたと伝えている。

 2009年にロドリゲスは、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)に在籍していた2001年から2003年までステロイドを使用していたことを認めている。

 報道ではまた、捜査官が手にした証拠には禁止薬物を使用したことに加え、ロドリゲスがクリニックと関係していることや、目撃者を脅迫して証拠文書を購入し、証拠隠滅を図ったことが確認されたとしている。

 ロドリゲスが処分を不服として上訴すれば、MLB機構のコミッショナーを務めるバド・セリグ(Bud Selig)氏は、スポーツの健全性を守るためとして、めったに使用されない強権を行使し、同選手を永久追放する可能性がある。

 マイアミ・ニュー・タイムズ(Miami New Times)紙にバイオジェネシスとの関係が報じられたそのほかの選手には、ヤンキースのフランシスコ・セルベーリ(Francisco Cervelli)、レンジャーズのネルソン・クルーズ(Nelson Cruz)、デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)のジョニー・ペラルタ(Jhonny Peralta)、サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)のエバース・カブレラ(Everth Cabrera)の名前が挙がっている。

 ペラルタの出場停止を見越したタイガースは、トレード期限が迫った30日に三角トレードでボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)からホセ・イグレシアス(Jose Iglesias)を獲得している。(c)AFP