【3月10日 AFP】米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の守護神で、MLB史上最多の608セーブを記録しているマリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)が、今シーズン限りでの引退を表明した。

 パナマ出身、43歳の右腕は昨年5月に右ひざの靱帯を断裂してシーズンを棒に振った。ヤンキースのキャンプ地、米フロリダ(Florida)州タンパ(Tampa)で記者会見を行ったリベラは、けががなかったとすれば、引退を決めていただろうと心境を語った。

「今が潮時だと思う。今年のために少しだけガソリンが残っている。それ以上の残りはない。すべてをやりきったし、誇りに思っている。試合やフィールドでのプレー、チームメイトを恋しく思う気持ちが消えることはないだろう」とコメントした。

 これまでは15シーズン連続で28セーブ以上を記録し、過去12回のオールスター選出を誇るリベラだが、2012年シーズンは9試合に登板し、1勝1敗5セーブにとどまった。

 この日、アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)とのオープン戦の5回に復帰登板となるマウンドに上がったリベラは、2人を三振に仕留め、走者を許すことなく15球で3人を抑えた。

「すべてが順調だ。感覚もいいし、足もよく踏ん張れている。何の不安要素もなかったし、結果にも満足している。この場所に戻って来られて、こんなにうれしいことはない」

 リベラはヤンキースで5度のワールドシリーズ制覇に貢献し、ポストシーズン通算96試合では141回を投げて42セーブ、防御率0.70という成績を残し、さらに33回3分の1という連続無失点記録も樹立している。

 また、1999年にはワールドシリーズの最優秀選手(MVP)、2003年にはア・リーグの最優秀選手に選出された。

 リベラは引退後も野球に関わり、若い投手の育成に携わりたいと言及している。引退を決めたのはキャンプ入りする前のことで、チームメイト数人と球団幹部に打ち明けていたという。(c)AFP