【12月17日 AFP】09MLBワールドシリーズでシリーズMVPに輝いた松井秀喜(Hideki Matsui)が16日、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)と年俸650万ドル(約5億7500万円)の1年契約を結んだ。

 27度目のワールドシリーズ制覇を果たしたニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)からフリーエージェント(FA)になっていた松井は、09年アリーグ西地区王者のエンゼルスに移籍することになった。

 エンゼルスのトニー・レジェンス(Tony Reagins)ゼネラルマネジャー(GM)は「秀喜という才能ある選手を獲得できて興奮している。彼はプロフェッショナルな打者であり、2010年にエンゼルスのユニフォームを着ている彼を見るのを楽しみにしている」と語った。

 09シーズンの松井は打率.274、28本塁打、90打点の成績を残し、ワールドシリーズでは13打数8安打(打率.615)、3本塁打、8打点を記録し、優勝がかかった同シリーズ第6戦では1試合最多タイの6打点を記録する活躍で、チームの勝利に貢献した。しかしながらヤンキースは、7年間チームに在籍し、最近4年間で合計5200万ドル(約47億円)を支払った松井を放出することを決めた。

 ヤンキースの2010シーズンの本拠地開幕戦が行われる4月13日に、松井はエンゼルスの選手としてヤンキースタジアム(Yankee Stadium)を訪れることになり、ヤンキースのピンストライプのユニフォーム姿ではないものの、09ワールドシリーズのチャンピオンリングを手にすることになる。過去6シーズンで5度の地区優勝を果たしているエンゼルスで松井は、ブラディミール・ゲレーロ(Vladimir Guerrero)に代わって指名打者に入ると見られている。

 松井の代理人を務めるアーン・テレム(Arn Tellem)氏は、オンライン・ニュースサイトのハフィントン・ポスト(Huffington Post)に投稿したブログで、エンゼルスのマイク・ソーシア(Mike Scioscia)監督はひざに問題を抱えたことのある松井の検査をシーズン前に行い、開幕後は指名打者に加えて週1、2試合は左翼手のポジションで出場させる意向であることを明かした。

 またテレム氏は、エンゼルスと契約を結ぶ前にヤンキースに残留する可能性をめぐり、松井が13日に一睡もしなかったとも記している。テレム氏は「最終的に秀喜はヤンキースが彼を取り戻すかどうかを決断するのを待つより、エンゼルスのオファーを受け入れることを選択した。即決しなければ、エンゼルスがそのオファーを取り下げ、秀喜が劣ったチームにいかざるを得なくなり、別のワールドシリーズでの本塁打を逃す原因になるかもしれなかった」と記している。(c)AFP