【5月8日 AFP】(記事更新、写真追加)米大リーグ(MLB)機構は7日、運動能力向上薬の陽性反応が検出されたロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のマニー・ラミレス(Manny Ramirez)に50試合の出場停止処分を科したと発表した。

 ラミレスは、米野球界のステロイド使用に対するミッチェル・レポートの捜査を受けて強化された禁止薬物規定で人気選手としては初めて出場停止処分を受けた。これまでオールスターゲームに12回出場しているラミレスは、大リーグ記録となる本拠地開幕13連勝を挙げたドジャースで中軸の選手として活躍している。

 スポーツ専門チャンネルESPNによると、ラミレスから薬物反応があったのはヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin、hCG)と呼ばれるもので、女性の排卵誘発剤の一つだが、ステロイドの使用停止後に自然に分泌されるテストステロン値を元の状態に戻すものとしてアスリートに好まれている。

 ラミレスの処分はすぐさま適用され、7日に行われるワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)戦から、7月3日の試合まで出場することはできない。また、年俸のうち770万ドル(約7億6400万円)がラミレスに支払われない。

 ラミレスは陽性反応を医師の責任としたが、その医師がドジャースのチームドクターであるかどうかについては触れていない。ステロイドの使用に関して否定をしたラミレスは、今回の問題は個人的に受けた投薬に端を発するものだと明らかにしている。

 ラミレスは、「最近、個人的な健康問題でとある医師の診察を受けた。彼が薬を処方したが、ステロイドではない。俺はこの5シーズンで15回の薬物検査をクリアしている。残念だが、その薬は規定によって禁止されていた。規定の下ではその責任は俺が負うものになっている。これ以上はもう何も言うなとアドバイスを受けている。(ドジャースのオーナー)フランク・マコート(Frank McCourt)氏、マコート夫人(Jamie McCourt)、ジョー・トーリ(Joe Torre)監督、チームメイト、ドジャース、そしてドジャースのファンに謝罪したい。ロスは俺にとって特別な場所で、みんなが残念に思っていることは分かっている。俺も残念だ。今回の件について申し訳なく思っている」と謝罪している。

 今シーズンのラミレスは27試合に出場し、打率.348、6本塁打20打点を記録している。(c)AFP/Greg Heakes