【1月23日 AFP】元メジャーリーガーのマーク・マグワイア氏(Mark McGwire、以下マグワイア氏)の弟が、著書の中でマグワイア氏がステロイドを使用していたと記したとウェブサイトのwww.deadspin.comが報じた。

 実弟のジェイ・マグワイア氏(Jay McGwire、以下ジェイ氏)は、出版予定の回顧録の中で、マグワイア氏が運動能力向上薬物に関与するようになったのは、自分自身が原因だとしている。

 セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)やオークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)で活躍し引退したマグワイア氏は、1998年に当時の年間本塁打記録を更新する70本塁打を放ち、メジャーリーグで最も神格化された故ロジャー・マリス(Roger Maris)氏が1961年に樹立した年間61本塁打を大きく塗り替えた。

 しかし、その栄光はドーピングの告発により失われた。マグワイア氏がステロイドの使用を繰り返し否定する中、同氏は2005年に開かれた米野球界のドーピングに関する公聴会でステロイドの使用否定を拒絶し、その名声は台無しとなった。その後、マグワイア氏は公の場にほとんど姿を見せておらず、公聴会で否定も肯定もしなかったことが、通算583本塁打を記録しながらも野球殿堂入り(Baseball Hall of Fame)の投票で記者たちからの支持を受けられず、票数が獲得できない理由だと考えられている。

 マグワイア氏は、元チームメイトのホセ・カンセコ(Jose Canseco)氏が著書の中で列挙した米野球界のステロイド使用者の一人に挙げられているが、1980年代にマグワイア氏がステロイドを使用し始めたというカンセコ氏の主張を否定するジェイ氏は、マグワイア氏の薬物使用開始は1994年にカリフォルニア(California)でジェイ氏がボディビルディングのコンテストに優勝してからだとしている。ジェイ氏は、1998年にサミー・ソーサ(Sammy Sosa)とマグワイア氏が本塁打王を争っていた際にロッカールームで栄養補助剤のアンドロステンジオン(androstenedione)を兄に供給したとしており、マグワイア氏はその薬物の使用を認めている。(c)AFP