【3月26日 AFP】08MLB日本開幕シリーズ、オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)vsボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)。試合はレッドソックスが延長の末6-5でアスレチックスを降し開幕戦を白星で飾った。

 25日に東京で2008年シーズンの開幕を迎えたレッドソックスは、9回表のブランドン・モス(Brandon Moss)の同点本塁打と10回表のマニー・ラミレス(Manny Ramirez)の放った2点勝ち越しの適時打で勝利を挙げたが、松坂大輔(Daisuke Matsuzaka)は、周囲の期待に応えることができず、不安定で乱丁なパフォーマンスで勝敗がつかなかったことについてファンに「申し訳ない」と謝罪した。

 母国日本での開幕戦を控え、数週間に及ぶ熱狂を巻き起こした松坂は何とか5回を投げ抜いた。立ち上がりの初回にホームランを献上し、暴投を記録し死球を与え2点を失った松坂は緊張しているように見えた。開幕投手を務めた松坂は「本当はできるだけ長いイニングを投げたかったので、たくさん来てくれたファンの皆さんには5回という早い段階で降板したことは申し訳ないです」と、シンプルなメッセージを送った。

 完投は今日のメジャーリーグでは考えられないが、日本のメディアはレッドソックスのテリー・フランコナ(Terry Francona)監督に対し、西武ライオンズ(Seibu Lions、現埼玉西武ライオンズSaitama Seibu Lions)在籍時の松坂が完投していたように、最後まで投げさせるよう訴えていた。フランコナ監督は常々、投手の投球数をコントロールすること口にしている。しかしながら、松坂は身を乗り出して投球に見入る満員の観客で埋まった東京ドーム(Tokyo Dome)で降板したくないとフランコナ監督に嘆願した。松坂は「1回と2回があのような形になって、監督や投手コーチはいつ交代させるかを話し合っていたに違いありません。でも原因は自分自身にあります。監督にはすぐにわがままであったことを謝りました。5回が終わるまで投げさせてくれたことを感謝したい」と語った。

 フランコナ監督は松坂の夜を95球で終わらせたが、チームは9回にモスが自身初の本塁打を放ち4-4の同点に追いつき、その裏に勝利投手となった岡島秀樹(Hideki Okajima)がリリーフで登板しアスレッチックスを抑えた。続く10回表にはマニー・ラミレスがこの日2本目となる適時二塁打を放ち6-4と再び逆転、その裏には抑えのジョナサン・パベルボン(Jonathan Papelbon)が1点を許すも試合を閉めセーブを挙げた。

 ボストンでの愛称「Dice-K」で世界中のファンにその名を知られる松坂は、チームメイトが勝利を引き寄せられたことを喜びながらも、「開幕投手に選ばれて、力が入ってしまったと思います。2回途中にふくらはぎがつりそうになりました。つりそうになったことで、いい感じに力が抜けました。それ3回から良い形になる助けになりました。僕としては戦う姿勢を見せることが出来なかったので、今日のことを次に生かしていきたいです」と、2008年シーズン開幕に向けての準備をもっとすべきだったと振り返った。(c)AFP/Hiroshi Hiyama