【1月16日 AFP】(一部修正)MLB機構のコミッショナー、バド・セリグ(Bud Selig)氏は現地15日、米議会下院政府改革委員会(House Oversight and Government Reform Committee)による公聴会で、MLB選手会(MLB Players Association)との間で、2月に始まる春季キャンプまでにより厳格な薬物検査の導入に合意したい意向を明らかにした。

 一方で同委員会は、公聴会に召喚されたセリグ氏と選手会専務理事のドナルド・フェア(Donald Fehr)氏に対し、一連の薬物疑惑に対し直ちに行動を起こすよう要請し、行動を起こさない場合には同委員会がMLBに対し何らかの措置を強要するとした、明確なメッセージを通達した。

 セリグ氏は「春季キャンプの開始までには、問題を全て解決できるよう願っている」と語った。

 ジョージ・J・ミッチェル(George J. Mitchell)元上院議員により提出された薬物報告書では、90選手以上が薬物使用と関連があるとされた。

 MLB機構と選手会は、オーナーや選手から独立した外部の人間により行われる抜き打ちの薬物検査など、ミッチェル氏によって行われた勧告の実現を目指し、労使交渉の再開に向け話し合いを行っている。

 セリグ氏は「1年を通した適正な抜き打ち検査を命じるプログラムの導入に尽力する。ミッチェル氏による全ての勧告を受け入れるため、プログラムの改正へ同意するよう強く求めていく。汚点の無いベースボールにすることが最も重要なことだ」と語った。

 セリグ氏とフェア氏は、ミッチェル氏による勧告に従って行動するために、アマチュアの有望選手も検査対象とすることも考慮に入れ、新たな薬物検査の導入を実現させなければならない。

 フェア氏は、選手会は薬物検査に関して積極的に対応するべきだったとの見解を示し、両者による交渉の継続が必要だと主張した。

 フェア氏は「多くの人々がミッチェル氏による勧告を受け入れるよう我々に対し求めている。関係者が、できることとなされるべきことを話し合う時間的余裕がある形で、ミッチェル氏の勧告を受け入れることができるよう望む」と語った。

 委員会のトム・デービス(Tom Davis)委員は、セリグ氏とフェア氏に対し、両氏が長年にわたり選手管理をおろそかにしてきたと指摘した。

 デービス委員は「改正案を話し合う準備を進めているフェア氏を評価したい。フェア氏は頑なに強力を拒んでいる選手会の先頭に立っている。ベースボールは、問題を解決し、非協力的な風習を変え、ステロイドやヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone、HGH)などあらゆる運動能力向上薬に適切に対処できるように変わる必要がある。これは脅迫ではなく約束だ。議会は協力を惜しまない」と語った。

 またセリグ氏、フェア氏と共に公聴会に召喚されたミッチェル氏は「疑惑を排除する唯一の方法だ。関係のある全ての人は、この混乱を終わらせるために、できることは全てするべきだ」セリグ氏とフェア氏に対し、自身の勧告の全てを受け入れるように要請した。(c)AFP/Jim Slater