【12月14日 AFP】MLB機構のコミッショナーを務めるバド・セリグ(Bud Selig)氏が13日、MLBにおける運動能力向上薬物の調査により、バリー・ボンズ(Barry Bonds)やロジャー・クレメンス(Roger Clemens)をはじめとする約80名にも及ぶ選手(引退した選手も含む)の薬物使用が明らかになった今回の事件を一つの分岐点として迎え入れる姿勢を示した。また場合によっては名簿に名前の挙がった現役選手に対し何らかの処分を下す考えを明らかにした。

 報告書を読んでいないとしながらも内容を把握していると主張した同コミッショナーは「報告書は実施要請であり、現役選手で名簿に名前が挙がった選手に対して何らかの対処もしていく。選手への規律やその他の案件は今後の状況に応じて検討していく」と語り、ミッシェル氏が報告書の中で提案している対策案に同意し、行動に移していくことを明らかにした。

 そしてMLBの各チームに対し、これまでのようにドーピング検査を行う24時間前に予め通知することはしない事を表明し「ミッシェル氏は20件もの対応策を提案しており、私はそれらを採用していく。ベースボール界がこの問題に正面から向かい合うことは重要であり、私は運動能力向上剤の使用をベースボール界から取り除くことに率先して取り組んでいく」と語った。

 また、現在ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone)を使用している選手に対して同コミッショナーは「選手はステロイドの使用からヒト成長ホルモンへと移行しており、我々はヒト成長ホルモンに対して有効な検査を模索している。すぐにでもNFLと協力して会議を開き、この検知できない物質を検出する手段を見つけ出すつもりだ」と警告を発した。

 ミッシェル氏が現地13日に発表した400ページを超えるベースボール界の違法薬物使用を暴いた報告書には、現役選手に引退した選手も加えた約80人の選手名が記載されており、クレメンスをはじめ、アンディ・ペティット(Andy Pettitte)、ボンズ、ポール・ロデューカ(Paul Lo Duca)、エリック・ガニエ(Eric Gagne)といったリーグを代表する選手の名前も含まれている。

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