【3月1日 AFP】第3回ワールド・ベースボール・クラシック(2013 World Baseball ClassicWBC)は2日、福岡と台湾で開幕を迎え、米大リーグ(MLB)でプレーする選手が出場を辞退した日本は、国内組で大会3連覇を目指す。

 2006年の第1回大会で日本代表は、松坂大輔(Daisuke Matsuzaka)らの活躍で初代王者に輝き、2009年の第2回大会では、延長10回までもつれた決勝で韓国を破り連覇を達成した。松坂は2大会連続で最優秀選手(MVP)に選出されている。

 しかし、山本浩二(Koji Yamamoto)監督が指揮を執る第3回大会で日本代表は、松坂やイチロー(Ichiro Suzuki)、ダルビッシュ有(Yu Darvish)といったMLBでプレーする選手が全員不参加という事態になった。

 大会不参加の理由についてダルビッシュは、「最大の目標はテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)のワールドシリーズ制覇に貢献すること。今は十分な休養をとることが最も大切だという決断を下した」と説明している。

 侍ジャパンは阿部慎之助(Shinnosuke Abe)と中田翔(Sho Nakata)が打線の主軸となり、投手陣では2012年の日本シリーズでMVPに輝いた内海哲也(Tetsuya Utsumi)をはじめ、前田健太(Kenta Maeda)、田中将大(Masahiro Tanaka)、摂津正(Tadashi Settsu)ら過去3年間の沢村賞受賞投手を擁している。

 ダルビッシュは「日本には優秀な選手が多くいるので、大会で日本の偉大な伝統を守ってくれると確信している」と語っている。

■初戦でブラジルと対戦する侍ジャパン、1次ラウンド最大のライバルはキューバに

 福岡で開催される1次ラウンドA組で日本はブラジル、中国、第1回大会で準優勝のキューバと同組となっている。一方、台湾で開催されるB組には台湾、オーストラリア、韓国、オランダが入っており、総当たりのリーグ戦で行われる各組の上位2チームが東京で開催される2次ラウンド1組に進出する。

 プエルトリコ開催のC組にはプエルトリコ、ドミニカ共和国、スペイン、ベネズエラが、米アリゾナ州フェニックス開催のD組には米国、カナダ、メキシコ、イタリアが属しており、各組上位2チームがマイアミで開催される2次ラウンド2組に進出となる。

 東京とマイアミで行われる2次ラウンドの各組上位2チームが米サンフランシスコでの準決勝に駒を進め、現地時間19日には決勝戦が行われる。

 侍ジャパンにとって1次ラウンド最大のライバルは、現在オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)に所属するヨエニス・セスペデス(Yoenis Cespedes)が2011年に亡命したものの、アマチュア野球界最強を誇り、世界ランク1位に立つキューバになるだろう。

 キューバは昨シーズンの国内リーグで打率.394、35本塁打の活躍を見せたホセ・アブレウ(Jose Abreu)、リーグ最多の36本塁打105打点を記録したアルフレド・デスパイネ(Alfredo Despaigne)を筆頭に、フレデリク・セペダ (Frederich Cepeda)やユリエスキ・グリエル(Yulieski Gourriel)といったベテラン選手を擁しており、日本の投手陣にとって脅威を与える存在になる。

 ブラジルは元シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)の遊撃手で野球殿堂入りを果たしているバリー・ラーキン(Barry Larkin)監督がチームを率いるが、同国出身として初のメジャーリーガーとなった捕手のヤン・ゴメス(Yan Gomes)が代表入りを辞退している。

 中国は米大リーグでプレーするブルース・チェン(Bruce Chen)が代表入りできなかったものの、かつてMLB球団で指揮を執った経歴を持つジョン・マクラーレン(John McLaren)監督が若手中心のチームを率いている。(c)AFP/Jim Slater