【12月30日 AFP】2012年の野球界では、米大リーグ(MLB)でサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)、プロ野球で読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)と、2つのジャイアンツがそれぞれタイトルを獲得した。

 2010年にテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)を下し、ニューヨーク(New York)から移転した1958年以降では初となるワールドシリーズ制覇を果たしていたサンフランシスコ・ジャイアンツは、2012年のワールドシリーズではデトロイト・タイガース(Detroit Tigers)から4連勝を挙げて、ここ3年で2度目となる優勝を果たした。

 シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)とのナ・リーグ地区シリーズでは2連敗の後から3連勝、リーグ優勝決定戦でも1勝3敗の崖っぷちから3連勝を挙げ、サンフランシスコ・ジャイアンツはワールドシリーズに進出した。

 ベネズエラ出身で、「カンフー・パンダ(Kung Fu Panda)」の異名を持つサンフランシスコ・ジャイアンツの三塁手パブロ・サンドバル(Pablo Sandoval)は、第1戦で3本塁打を放ち、4試合で13打点を挙げる活躍を見せてワールドシリーズ最優秀選手(MVP)を受賞した。

 2011年シーズンを骨折と左足首の靱帯断裂のためほとんど棒に振ったサンフランシスコ・ジャイアンツの捕手バスター・ポージー(Buster Posey)が打率.336でナ・リーグの首位打者のタイトルを獲得し、リーグの最優秀選手(MVP)に選出された。

 また、タイガースに所属するベネスエラ出身のミゲル・カブレラ(Miguel Cabrera)が打率.330、44本塁打、139打点を記録し、1967年ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)のカール・ヤストレムスキー(Carl Yastrzemski)氏以来となる三冠王に輝き、ア・リーグの最優秀選手に選出されている。

 一方、日本の読売ジャイアンツは、北海道日本ハムファイターズ(Hokkaido Nippon Ham Fighters)との日本シリーズ6戦目で優勝を決め、通算22度目のタイトルを手にした。シリーズMVPには2勝を挙げた内海哲也(Tetsuya Utsumi)が選出されている。

■WBC3連覇を目指す日本、大リーガー抜きでの戦いに 

 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(2013 World Baseball Classic、WBC)で大会3連覇を目指す日本だが、メジャーリーガー無しでの戦いに臨むことになった。

 テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)に加入し、MLB初年度に16勝9敗の成績を残したダルビッシュ有(Yu Darvish)は、13年シーズン開幕前には休息が必要になるとして大会不参加を表明している。

 2006年の第1回大会で優勝を飾ったサムライジャパンのメンバーに名を連ね、現在唯一MLBで活躍するイチロー(Ichiro Suzuki)も、他の球団に所属する日本人大リーガーと同様に代表入りを固辞した。

 これに関して、元広島東洋カープ(Hiroshima Toyo Carp)監督で、10月に日本代表監督に就任した山本浩二(Koji Yamamoto)氏は、「決まった中でやっていかなければならない。選択肢はないし、前に進むだけ」とコメントしている。

■次代の日本野球担う少年たちが活躍

 一方、日本の次世代を担う18歳の大谷翔平(Shohei Otani)が、大リーグ球団への入団を希望していたものの、北海道日本ハムファイターズに入団することが決まった。

 また、第66回リトルリーグ世界選手権大会(2012 Little League World Series)では、東京北砂LL(Tokyo Kitasuna LL)が12-2で米テネシー(Tennessee)州のグッドレッツビルLL(Goodlettsville Baseball LL)を下し、日本勢が通算8度目の優勝を飾った。

 日本代表チームとしてここ7年間で5度目の決勝進出を果たした東京北砂の逢阪倫充(Noriatsu Osaka)は、3本塁打を含む4打数4安打4打点を記録した。(c)AFP/Jim Slater