メディアのスポットライトを浴びるスーパースター、イチロー
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【3月4日 AFP】加熱した報道がされている第2回ワールド・ベースボール・クラシック(2009 World Baseball Classic、以下WBC)の開幕が迫る中、日本代表のイチロー(Ichiro Suzuki)が日本全国を魅了している。
第1回大会で優勝の立役者となったイチローは、加熱報道の中心となっており、代表監督の選考にも影響を与えた。チームの中でも注目を浴びるイチローに対し、国民は第2回大会でも英雄のような活躍を見せることに高い期待を寄せている。
イチローがいることもあり、宮崎(Miyazaki)で行われた日本代表のキャンプには6日間で約24万1000人が訪れた。イチローの才能と走攻守そろった素晴らしいバッターであり続けるための禁欲的な練習倫理は、国民の尊敬を集めている。
2月に日本代表が集合して以来、メディアもイチローのコンディションや練習の分析を事細かに報道している。
2月28日に対戦した埼玉西武ライオンズ(Saitama Seibu Lions)との強化試合で4打数無安打に終わった翌日、東京新聞(Tokyo Shimbun)は、「チームリーダーの調整ぶりに、侍ジャパンの命運がかかる」と書き立てている。
特にスポーツ新聞はイチローに注目しており、チームミーティングでどこに座っていたか、練習ではどれだけ速く走り、誰と会話を交わしたかを報じている。
イチローのカリスマ性は、ほかの選手にも影響を与えている。ダルビッシュ有(Yu Darvish)投手は「イチローさんはリーダーとしてチームをまとめて引っ張る。僕はそれについていくのが仕事」と語っている。
■代表監督の選考にイチローの影響力
2008年に日本野球機構(Nippon Professional Baseball、NPB)は第2回大会で星野仙一(Senichi Hoshino)氏に監督の就任要請を計画していたが、イチローは自らが持つ影響力を使い公然とそれを批判した。
北京五輪で日本代表を率いた星野仙一氏は国民の期待を煽ったが、結果的にはメダルを獲得することもできず、国内で厳しい批判にさらされた。
星野氏に就任要請がされようとしたとき、イチローはその動きに公然と疑問を呈し、プロ野球球団の現役監督をWBCの監督に指名することを提案した。2008年10月にイチローは「大切なのは足並みをそろえること。北京の流れからWBCをリベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」と語っている。このイチローの発言後、読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)を指揮する原辰徳(Tatsunori Hara)氏が監督に選ばれた。
このような影響力は、問題も抱えている。産経新聞(Sankei Shimbun)と夕刊フジ(Yukan Fuji)の記者による記事やコラムは、イチローの影響力は一つも建設的な批判を促さないとしている。「イチローが白といえば白のムード」と報じる夕刊フジは、イチローが長い練習時間に不満を漏らし、明らかにその雰囲気がほかの選手にも影響を及ぼしたと伝えている。
産経新聞の記者は、「イチローは確かに絶対的な存在感があるが、スタッフに過ぎない。もちろん、大事に至る前に、首脳陣の毅然(きぜん)とした対応も期待したい」とブログに書き込み、チームの組織を維持するために首脳陣がイチローと向き合うことを勧めている。(c)AFP/Hiroshi Hiyama
第1回大会で優勝の立役者となったイチローは、加熱報道の中心となっており、代表監督の選考にも影響を与えた。チームの中でも注目を浴びるイチローに対し、国民は第2回大会でも英雄のような活躍を見せることに高い期待を寄せている。
イチローがいることもあり、宮崎(Miyazaki)で行われた日本代表のキャンプには6日間で約24万1000人が訪れた。イチローの才能と走攻守そろった素晴らしいバッターであり続けるための禁欲的な練習倫理は、国民の尊敬を集めている。
2月に日本代表が集合して以来、メディアもイチローのコンディションや練習の分析を事細かに報道している。
2月28日に対戦した埼玉西武ライオンズ(Saitama Seibu Lions)との強化試合で4打数無安打に終わった翌日、東京新聞(Tokyo Shimbun)は、「チームリーダーの調整ぶりに、侍ジャパンの命運がかかる」と書き立てている。
特にスポーツ新聞はイチローに注目しており、チームミーティングでどこに座っていたか、練習ではどれだけ速く走り、誰と会話を交わしたかを報じている。
イチローのカリスマ性は、ほかの選手にも影響を与えている。ダルビッシュ有(Yu Darvish)投手は「イチローさんはリーダーとしてチームをまとめて引っ張る。僕はそれについていくのが仕事」と語っている。
■代表監督の選考にイチローの影響力
2008年に日本野球機構(Nippon Professional Baseball、NPB)は第2回大会で星野仙一(Senichi Hoshino)氏に監督の就任要請を計画していたが、イチローは自らが持つ影響力を使い公然とそれを批判した。
北京五輪で日本代表を率いた星野仙一氏は国民の期待を煽ったが、結果的にはメダルを獲得することもできず、国内で厳しい批判にさらされた。
星野氏に就任要請がされようとしたとき、イチローはその動きに公然と疑問を呈し、プロ野球球団の現役監督をWBCの監督に指名することを提案した。2008年10月にイチローは「大切なのは足並みをそろえること。北京の流れからWBCをリベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」と語っている。このイチローの発言後、読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)を指揮する原辰徳(Tatsunori Hara)氏が監督に選ばれた。
このような影響力は、問題も抱えている。産経新聞(Sankei Shimbun)と夕刊フジ(Yukan Fuji)の記者による記事やコラムは、イチローの影響力は一つも建設的な批判を促さないとしている。「イチローが白といえば白のムード」と報じる夕刊フジは、イチローが長い練習時間に不満を漏らし、明らかにその雰囲気がほかの選手にも影響を及ぼしたと伝えている。
産経新聞の記者は、「イチローは確かに絶対的な存在感があるが、スタッフに過ぎない。もちろん、大事に至る前に、首脳陣の毅然(きぜん)とした対応も期待したい」とブログに書き込み、チームの組織を維持するために首脳陣がイチローと向き合うことを勧めている。(c)AFP/Hiroshi Hiyama