【9月28日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は27日夜(日本時間28日午前)、シリア国内での化学兵器攻撃を非難し、シリア政府が保有する化学兵器の廃棄を命じる決議案を全会一致で採択した。シリア内戦に関する安保理決議が採択されたのは初めて。
 決議は、8月21日にダマスカス(Damascus)近郊で起きた攻撃をはじめとするシリア国内での化学兵器の使用を「最も強い言葉で非難する」としている。
 この安保理決議でシリアの化学兵器廃棄に向けて米露が合意した枠組みに国際的な法的拘束力が生じる。決議には国連が化学兵器の使用を確認した場合、すぐに制裁を科す内容は含まれていないが、米露が合意した枠組みが守られなかった場合には、対応措置について改めて採決することを認めている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、「国際社会にとって大きな勝利になる可能性がある」として今回の決議を歓迎した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、この決議によって自動的に強制力が行使されることはなく、何らかの違反があれば安保理で慎重に検討することになると強調した。(c)AFP/Tim WITCHER