【9月23日 AFP】スイス南部イタリア語圏のティチーノ(Ticino)州で22日、公共の場で顔全体を覆うベールの着用を禁止すべきかどうかを問う住民投票が行われ、65%の賛成多数で禁止が決まった。この動きに対しては、スイスのイスラム団体や国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が非難していた。

 投票の結果はフランスとベルギーにおける同様の禁止令に同調するものだが、これはイスラム教徒のみを名指ししたものではない。その内容は「礼拝の場や公務中の人を除いて、一般道や公共に開かれた場で、顔をマスクで覆ったり顔を隠したりすることを禁ずる」としている。

 だが、「何人も、性別を理由に他人に顔を隠すことを要求することはできない」と、女性にベールを着用させるイスラム教の伝統を指すような文言も含まれた。

 住民投票を推進したのはティチーノ州の右派ポピュリスト政党「イル・グワスタフェステ(Il Guastafeste)」。同党中心人物のGiorgio Ghiringhelli氏は、イスラム教を公に批判している。

 着用禁止が導入されるのはスイス26州で初めて。ティチーノ州憲法に禁止が盛り込まれ、将来的に改正が困難になる。州議会はこれから罰則を定めた法案の作成に入る。(c)AFP/Jonathan FOWLER