「イラン政府が保有」のNY高層ビル、米政府が差し押さえへ
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【9月19日 AFP】米ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)中心部にある高層ビルが、イラン政府によって極秘裏に保有されていたとして、ニューヨークの連邦地方裁判所が、米政府による差し押さえを認める判決を下した。米司法省が17日、発表した。ただ、ビルの所有者側は上訴する構えを見せている。
司法省の声明によると、ニューヨーク市5番街にある36階建てのビルの差し押さえと売却は、確定すれば「テロリズム関連の差し押さえで過去最大」のものになる。
米財務省は、多くイラン企業・組織との取引やイランへの送金を禁ずる厳しい制裁措置を講じている。連邦地裁は今週、ビルの所有者が対イラン制裁関連法とマネーロンダリング(資金洗浄)防止法に違反しているとした米政府の訴えを認めた。
プリート・バララ(Preet Bharara)・マンハッタン連邦検察官によると、今回の判決は、このビルの所有者が「(イラン国営の)メリ銀行(Bank Melli)の表看板であることから、イラン政府の表看板となっている」とする米司法省の主張を支持するもの。差し押さえたビルの売却によって得られた資金は、「イラン政府が後ろ盾となったテロリズムの犠牲者への補償」に使われるという。
検察当局は、このビルの所有者である「アラビ財団(Alavi Foundation)」と「アッサ・コーポレーション(Assa Corporation)」が、賃料などから得た資金をメリ銀行に送金していたと主張している。声明によると、アラビ財団はイラン政府のために、マンハッタンの同ビルの他、慈善事業も運営していたという。
1970年代に当時のイラン国王が運営し、メリ銀行の融資を受けていたNPO「パーレビ基金(Pahlavi Foundation)」によって建設されたこのビルは、1979年のイラン革命後に樹立した新政権によって没収されたと、検察側は主張。パーレビ基金はその後、「ニューヨーク・モスタザファン財団(Mostazafan Foundation of New York)」、さらに現在の「アラビ財団」へと改称したとされる。
また、2008年に提訴された事案で、当時のアラビ財団会長が証拠隠滅による司法妨害に問われ、翌09年に有罪を認めている。
一方、アラビ財団はウェブサイト上の声明で上訴する意向を表明。判決には「遺憾」であり、「陪審の前で政府に反論する機会を与えられなかった」と述べている。(c)AFP
司法省の声明によると、ニューヨーク市5番街にある36階建てのビルの差し押さえと売却は、確定すれば「テロリズム関連の差し押さえで過去最大」のものになる。
米財務省は、多くイラン企業・組織との取引やイランへの送金を禁ずる厳しい制裁措置を講じている。連邦地裁は今週、ビルの所有者が対イラン制裁関連法とマネーロンダリング(資金洗浄)防止法に違反しているとした米政府の訴えを認めた。
プリート・バララ(Preet Bharara)・マンハッタン連邦検察官によると、今回の判決は、このビルの所有者が「(イラン国営の)メリ銀行(Bank Melli)の表看板であることから、イラン政府の表看板となっている」とする米司法省の主張を支持するもの。差し押さえたビルの売却によって得られた資金は、「イラン政府が後ろ盾となったテロリズムの犠牲者への補償」に使われるという。
検察当局は、このビルの所有者である「アラビ財団(Alavi Foundation)」と「アッサ・コーポレーション(Assa Corporation)」が、賃料などから得た資金をメリ銀行に送金していたと主張している。声明によると、アラビ財団はイラン政府のために、マンハッタンの同ビルの他、慈善事業も運営していたという。
1970年代に当時のイラン国王が運営し、メリ銀行の融資を受けていたNPO「パーレビ基金(Pahlavi Foundation)」によって建設されたこのビルは、1979年のイラン革命後に樹立した新政権によって没収されたと、検察側は主張。パーレビ基金はその後、「ニューヨーク・モスタザファン財団(Mostazafan Foundation of New York)」、さらに現在の「アラビ財団」へと改称したとされる。
また、2008年に提訴された事案で、当時のアラビ財団会長が証拠隠滅による司法妨害に問われ、翌09年に有罪を認めている。
一方、アラビ財団はウェブサイト上の声明で上訴する意向を表明。判決には「遺憾」であり、「陪審の前で政府に反論する機会を与えられなかった」と述べている。(c)AFP