【9月18日 AFP】ロシアのモスクワ(Moscow)で17日、シリア問題をめぐるロシアとフランスの外相会談が行われた。両国を含む国連安全保障理事会(UN Security Council)は近く、シリアの化学兵器廃棄に向けた協議を予定しているが、17日の会談で両国の立場の溝は埋まらなかった。

 会談後、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相とフランスのローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は共に、平和で化学兵器のないシリアという共通の目標を持ちながら、その実現方法については意見が異なると述べた。

 8月21日のシリアの首都ダマスカス(Damascus)近郊でのサリン攻撃について公表された国連(UN)報告書を受け、この攻撃を行ったのは政権側だとするフランスと米国の主張をラブロフ外相は強く退け、同報告書は「化学兵器が使用された事実を証明した」だけで、攻撃を行ったのがバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権だとは証明されていないとして、「(8月21日の攻撃で使われた)ミサイルがどこで製造されたかという問いに対する答えはまだ出ていない」と指摘した。

 さらにラブロフ外相は、ロシアはこの攻撃が「挑発だったと信じるに足る極めて大きな根拠」を持っていると述べ、主要国に対し、協議の際には「感情論に走る」のではなく、「専門家の意見を尊重する」よう呼び掛けた。

 一方ファビウス外相は、この国連報告書により化学兵器攻撃の「責任が政権側にあることに疑いの余地はなくなった」とする姿勢を貫いた。そして、ロシアとフランスの平和実現に向けた方法には確かに「アプローチの違い」があることを認めながらも、この問題に必要なのは政治的解決だという点については両国が「完全に一致した」ことを明らかにした。(c)AFP/Maria ANTONOVA