【9月16日 AFP】五輪フィギュアスケートの金メダリストで、親政権派のロシア下院議員、イリーナ・ロドリナ(Irina Rodnina)氏(64)が、米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とバナナを並べた写真をマイクロブログのツイッター(Twitter)に投稿し、人種差別的だとの批判を呼んでいる。

 投稿された写真は、前景に写る手が持つバナナを、オバマ大統領夫妻が凝視していように見せたもので、ロシア国内のサッカーの試合でアフリカ系の選手に対してバナナを掲げるという、一部ファンが行う人種差別的な行為にも似ている。

 与党に所属するロドリナ議員は、フィギュアスケート選手として活躍していた1970年代~80年代の五輪大会で、複数の金メダルを獲得している。

 投稿された写真は、ロシア反政府運動のカリスマ的指導者で、先のモスクワ(Moscow)市長選にも出馬したアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が13日夜に再投稿したことで、瞬く間に拡散した。

 この写真が翌14日に多くの批判を集めたことを受け、ロドリナ議員は写真を削除した一方で、自らの行動については何も問題なかったと主張している。ツイッターの投稿では「言論の自由は言論の自由!抵抗があるなら、自分で対処しなさい」と強気の姿勢を見せ、写真を投稿したことにより自分への評価は上がったとも述べた。

 この問題について下院倫理委員会のヤン・ゼリンスキー(Yan Zelinsky)議員は、露ラジオ局へのコメントでロドリナ議員を擁護し、「ロドリナ議員は、米大統領がバナナ好きだと思っている──それの何が問題なんだ」と述べた。(c)AFP