【9月7日 AFP】(一部更新)オーストラリアで7日、下院選挙(定数150、任期3年)の投票が行われた。ケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相(55)の与党・労働党に対し、トニー・アボット(Tony Abbott)自由党党首(55)率いる保守連合が優勢とみられており、政権交代する可能性もある。

 投票は、午前8時(日本時間同7時)に始まり、午後8時(日本時間同7時)に締め切られる西部を除き、午後6時(日本時間同5時)に締め切られた。有権者は1470万人。直近の世論調査では保守連合が150議席のうち90議席以上を確保して圧勝するという予測もある。

 アボット氏は有給育児休暇を主要な公約としているほか、炭素税の廃止や財政再建などを掲げている。ラッド氏は世界的な経済危機の中オーストラリアを景気後退入りさせなかった実績を訴えるとともに、炭素税を廃止して2014年7月までに排出権取引制度に移行するとしている。そのほかの争点は同性婚の合法化や、ボートでやってくる亡命希望者を制限する措置の強化など。

 緑の党(Australian Greens)など全部で50以上の政党が候補者を出しており、与党から票を奪うとみられている。アボット氏は、安定政権を作るため無所属や小政党に投票しないよう有権者に呼びかけた。

 ラッド首相は、総選挙の実施発表数週間前の6月に行われた労働党の党首選でジュリア・ギラード(Julia Gillard)前首相を破って返り咲いたが求心力を高められずにいた。(c)AFP/Martin PARRY