【9月3日 AFP】米ホワイトハウス(White House)がシリアへの軍事攻撃に対する同国議会の承認を求める働き掛けを続ける中、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領と会談した野党・共和党の有力議員2人が2日、「大統領が軍事行動を示唆した後での議会の否決は、米国にとって破滅的な結果をもたらす」との見解を明らかにした。

 共和党のジョン・マケイン(John McCain)、リンゼー・グラム(Lindsey Graham)両上院議員はオバマ大統領と1時間にわたって会談した後、ホワイトハウスは野党の主張をより強く支持し、当初考えていたよりもより広範な軍事攻撃を検討する可能性があると述べた。

 オバマ大統領は先月31日、シリアへの軍事行動について米議会の承認を求める方針を表明。米政界や世界に衝撃を与えた。これ以前には、大統領はすぐにもシリアの軍やバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が所有する施設などに対し、巡航ミサイルによる攻撃を始めるとみられていた。

 マケイン、グラムの両議員は、軍事攻撃に関するオバマ大統領の計画に対する条件付き支持を表明したとみられる。マケイン議員は「議会が決議案を否決すれば、破滅的な結果につながるだろう。米国と米国大統領に対する信頼性が損なわれる。そのようなことを望む米国民はいない」と話した。

 グラム議員は、議会が承認しなかった場合のより幅広い影響について警告。「もう1つのイラクやアフガニスタンを受け入れさせることはできない。シリアの問題で適切な対応を取らなければ、イランは当然、われわれが同国の核開発問題を気に掛けていないとのメッセージだと受け取る」と述べた。

■米空母、紅海に向け移動

 一方、米ABCニュース(ABC News)は2日、米原子力空母ニミッツ(USS Nimitz)が紅海(Red Sea)に向かって西へ進んでいると報じた。ただ、現段階で空母へのシリア攻撃支援の命令は出ていない。(c)AFP/Stephen COLLINSON