【9月3日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)がブラジルとメキシコの大統領の通信情報を傍受していたと報じられたことを受け、両国は2日、駐在する米国大使を呼んで説明を求めた。

 英紙ガーディアン(Guardian)のコラムニストでブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)在住の米国人ジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏はブラジルのテレビ局グロボ(Globo)に対し、「NSAはジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領のインターネット利用を追跡していたほか、エンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)氏が昨年メキシコ大統領に選出される以前、同氏の電子メールにアクセスしていた」と語った。

 これについてブラジルのルイス・フィゲイレド(Luis Figueiredo)外相は、事実と確認されれば「ブラジルの主権に対する許し難い侵害だ」と述べた。

 一方、メキシコ外務省は、「徹底的な調査」の実施を求めるとともに、事実であれば「国際的な権利の侵害」と警告する外交文書を米政府に送付したことを明らかにした。

 米国が中南米で幅広く通信傍受を行っていたとの疑惑は、米当局が行っていた極秘の個人情報収集プログラムを暴露したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者から情報を得ていたグリーンウォルド氏がこれらを報じる以前から持ち上がっており、同地域の首脳らの怒りを買っていた。(c)AFP/Yana MARULL