キング牧師の演説から50年、米首都で記念式典 オバマ大統領が演説
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【8月29日 AFP】米公民権運動指導者の故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師が「私には夢がある」という歴史的な演説を行った1963年の「ワシントン大行進(March on Washington)」から50年になる28日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のリンカーン記念館(Lincoln Memorial)で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領らが出席して記念式典が行われた。
奴隷を解放したエーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)大統領の像の下で演説した米国初の黒人大統領であるオバマ大統領は、キング牧師が米国を抑圧から救ったことに敬意を表するとともに、キング牧師の平等な社会の夢を掲げ続けるために「不断の警戒」が必要だと訴えた。
アフリカ系アメリカ人社会への支援が不十分だという批判も受けているオバマ大統領は、キング牧師の演説以降の米国社会の変化について「この進歩の大きさを否定することは、キング牧師の時代に犠牲を払って行進した人々の勇気を汚すことになる」と述べた。
オバマ大統領は、キング牧師の夢を実現するためになすべきことはまだ多く残っていると強調し、「米国民がやるべき仕事を終えたと言うなら、それもまた英雄たちの名誉を汚すことになる」「米国が獲得してきたものを確保するためには、自己満足ではなく不断の警戒が必要だ」と述べ、「行進を続けよう」と呼びかけた。
記念式典には、ジミー・カーター(Jimmy Carter)、ビル・クリントン(Bill Clinton)の両元大統領とキング牧師の親友で公民権運動活動家のジョン・ルイス(John Lewis)氏、キング牧師の親族らも参加した。(c)AFP/Stephen COLLINSON