【8月28日 AFP】米国務省は27日、北朝鮮に対する「敵対行為」の罪により15年の労働教化刑を言い渡され、同国で服役中の韓国系米国人の観光ガイド、ペ・ジュンホ(Pae Jun-Ho、米国名:ケネス・ベ、Kenneth Bae)氏(44)の身柄解放を求めるため、北朝鮮に30日から特使を派遣すると発表した。

 ペ・ジュンホ氏は、昨年11月に北朝鮮北東部の港湾都市・羅先(Rason)から入国した時点で、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記率いる北朝鮮の新指導体制の転覆を図ったとして拘束され、今年4月に北朝鮮最高裁から「労働教化刑」15年の判決を言い渡された。

 また宗教の布教活動を厳しく禁じている北朝鮮当局は、ペ・ジュンホ氏についてキリスト教の伝道者で「扇動的な」資料を持ち込んだと非難している。

 今回派遣されるのは米国の北朝鮮人権問題担当特使、ロバート・キング(Robert King)氏。米国務省の声明は、北朝鮮政府の「招待」を受け、「米国民ケネス・ベ氏釈放の確約を取り付けることに重点を置いた」人道的使命で平壌(Pyongyang)を訪問するとしている。

 キング特使は北朝鮮政府に対し、健康状態が悪化し病院に移送されたと伝えられるペ・ジュンホ氏に人道的見地から恩赦を与えて釈放し、特使と共に米国へ帰国することを認めるよう交渉する見込み。(c)AFP/Naomi Seck